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イベリス

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第三十三話 葛飾のアイスクリームその九

「ここは本当に昔ながらのね」
「東京ね」
「江戸っ子のね」
「ここがそうなのね」
「だから街もね」
「昔の東京のままね」
「かなり変わったっていうけれど」
 時代が進んでだ、流石に昭和と令和では全く違う。
「けれどね」
「それでも私達から見れば」
「ええ、昔の街でしょ」
「江戸っ子って感じのね」
「それがいいわね、東京は色々な場所があるから」
「私達の足立区もあれば」
「この葛飾もあって」
 愛はさらに話した。
「新宿、銀座、六本木、目黒、世田谷、巣鴨、浅草、本所、日暮里、池袋にね」
「渋谷ね」
「咲ちゃんが今アルバイトしてるね」
「本当に色々ね」
「その東京のあちこち行くのもね」
「いいのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「咲ちゃんもね」
「色々回るといいのね」
「何なら私も一緒に行くから」
 だからだというのだ。
「東京のあちこちをね、それで他にもね」
「東京以外にも?」
「川崎とか横浜とか千葉とかにもね」
「行くといいのね」
「それで埼玉も」
「ああ、埼玉ね」
「叔父さんは何か随分偏見があるみたいだけれど」
 それでもというのだ。
「埼玉もね」
「行くといいのね」
「ええ、高校とそれで大学に行っても」
 その時もというのだ。
「就職してもね」
「あちこち回るべきなのね」
「それが人生の勉強になるからね」
 だからだというのだ。
「そうしてもね」
「いいのね」
「私もね、実は東京もまだ行ってない場所多いし」
「お姉ちゃんもなの」
「まだね」
 そうだというのだ。
「だからね」
「私と一緒になの」
「行きたいわ」
 こう咲に話した。
「私もね」
「何かそう言ってもらえたら」
 咲は笑顔になって応えた。
「嬉しいわ」
「そう?」
「私でいいのかってね」
 その様にというのだ。
「思うし」
「何言ってるの、従妹でね」
 愛はその咲に笑って話した。
「姉妹みたいなものじゃない」
「だからなの」
「友達以上に気心が知れてるから」
 それ故にというのだ。
「私もね」
「お姉ちゃんもなの」
「咲ちゃんと一緒にね」
「東京の色々なところ行きたいの」
「日帰りでも色々な場所行けるでしょ」
「定期あるしね」
 咲はここでこの実は魔法のアイテムを出した。 
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