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八条学園騒動記

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第六百四十二話 修羅道その十

「しかしな」
「それでもか」
「FBIが出来てだ」
 そうしてというのだ。
「州をまたいだ犯罪もな」
「取り締まられる様になったか」
「そして連合もだ」 
 自分達の国もというのだ。
「中央政府軍が出来てだ」
「FBIみたいにか」
「連合全体の国防を担ってな、中央警察もあるしな」
 連合全体の治安を管轄するこの組織もというのだ。
「それでだ」
「各国間の国境もか」
「治安がよくなった」
「それで尚更か」
「平和になった」
 海賊達がいなくなりというのだ。
「そうなった」
「いいことだな」
「今の連合はその分よくなった」
 いい国になったというのだ。
「このことは間違いない」
「そうか」
「ああ、しかしな」
「真の平和はか」
「やはり違うと思う」
 それはというのだ。
「本当にな」
「戦争がなくて犯罪者が少なくてもか」
「それでも各国間は揉めてばかりでだ」
「中央政府ともだな」
「そんな状況でな」
「真の平和と言えるか」
「常に思う」
 その様にというのだ。
「俺はな」
「そうか、俺よりもずっと深く考えているな」
 フランツはここまで聞いてしみじみとした口調になって述べた。
「平和について」
「いや、そうでもない」
 タムタムはそれは違うと返した。
「実は考える時は殆どない」
「そうなんだな」
「平和についてな」
「じゃあ他のことを考えているか」
「普段はな」
 フランツに笑って返した。
「野球や勉強やクラスのことをな」
「そうしたことをか」
「考えている」
「その方が多いか」
「ずっとな」
 そうだというのだ。
「実は」
「そうだったか」
「平和を考えるのは政治家でだ」
 彼等のすることでというのだ。
「宗教家だな」
「宗教家だと一番考えるな」
「ああ、ただ中にはな」
 その宗教家でもというのだ。
「カルト教団だとな」
「逆にだな」
「戦争を言う」
「しろとだな」
「碌でもない目的でな」
 それが頭にあってというのだ。
「言っている」
「それも自分は安全な場所でか」
「傷付くことなくな」 
「だからそうした奴の言葉はか」
「聞くな、信じることもだ」
 このこともいうのだ。 
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