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レーヴァティン

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第二百三十一話 平泉からその九

「文献で読んだ、そしてだ」
「はい、そしてです」
「今はこの状況です」
「突如海の魔神が出て二つの浮島以外を石に変えてです」
「海に沈めました」
「そうしました」
「そして今この世界には二つの浮島しかない」
 英雄はあらためて言った。
「種族もだな」
「二つの浮島には元々人間しかおらず」
「そうした場所はこの世界では稀です」
「この世界は実は多くの人が存在しています」
「人間はその一種族に過ぎません」
「そうだな、その世界にだ」
 まさにというのだ。
「俺達は来ているな」
「この世界を救われる為に」
「海の魔神を倒す為に」
「上様も他の方も来られています」
「呼ばれたのはおそらく神々です」
「この世界におられる」
「そうだろうな、この世界には実に多くの神々が存在している」
 英雄はこのことも話した。
「それもあらゆる神話のな」
「宗教も然りです」
「この浮島にも神道と仏教がありますが」
「他の教えもあります」
「この世界には」
「この浮島にはキリスト教の教会もある」
 尚この浮島ではキリスト教は耶蘇教と呼んでいる、言葉は通じるが方言がありそうなっているのだ。
「天理教もある、また西の浮島にはギリシアや北欧の神々もある」
「それぞれの地域で宗教の勢力は違いますが」
「特に争うことなく共存しています」
「そこに神々もおわします」
「そしておそらくですが」
「その神々が俺達を呼んだか」 
 この世界にというのだ。
「そうか」
「やはりそうかと」
「確かな証拠はありませんが」
「我等もそうであると考えています」
「上様や他の方々が来られたのは」
「そうだろうな、そして呼ばれたのも縁だ」
 それだというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「上様も励まれますね」
「この世界を救うことに」
「そうして頂けますな」
「やる気がないなら今ここにいない」
 これが英雄の返答だった。
「俺はな」
「最初からですね」
「そうされていますね」
「まさに」
「そういうことだ、それでだが」
 英雄はさらに話した。
「俺はまだこの世界のことをまだ知らないのだろう」
「だからですか」
「それ故にですか」
「今以上に学び」
 この世界のことをというのだ。
「知る、いいな」
「はい、それではです」
「書はこの東の浮島にも多くあります」
「それを読まれて下さい」
「そうされて下さい」
「そうさせてもらう、それと書はな」
 英雄はこれの話もした。
「印刷出来るからな」
「多いに写す」
「そうしますね」
「紙も多く作り」
「そしてですね」
「そうする、書が多くあれば」
 それならばというのだ。 
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