八条学園騒動記
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第六百四十一話 餓鬼道その八
「そこに何の意味がある」
「自分は努力しないか」
「批判をしていると間違いや問題点に気付いていると錯覚する」
「錯覚か」
「錯覚だ、そしてそれを言える自分はだ」
それはというと。
「偉いとだ」
「錯覚するか」
「しかし粗捜し、言うだけならな」
「誰でも出来るか」
「そんなことはな、そして他人にあれこれ言うだけでだ」
それのみでというのだ。
「自分はだ」
「努力していないか」
「努力している人間は他人を批判するよりだ」
「練習しているな」
「勉強している」
そうしたことをしているというのだ。
「そして辛い立場にあってもな」
「救われるか」
「そうだ」
「努力しているとか」
「そして努力するにもな」
「一点でもか」
「必要だ、批判ばかり文句ばかりの奴はな」
「それもなくてか」
「救われない、批判精神と言うが」
戦後日本でも存在している言葉だ、終戦直後から学生運動まで名声があった東大教授であった丸山眞男にはそれがあったと言われている。
「しかしな」
「批判だけだとか」
「人を指差す」
批判をする、というのだ。
「すると自分が見えているか」
「見えていないな」
「批判する俺恰好いいだ」
「只の自己満足か」
「だからな」
「他人を見るよりか」
「自分だ、お前みたいにか」
「俺もか」
「お前はいつも練習している、しかも最近はだ」
タムタムにさらに話した。
「最新の技術も学んでいるな」
「お前が言っているからな」
フランツは笑顔で答えた。
「俺は馬鹿だが」
「それでもか」
「お前が言うからな」
バッテリーを組み信頼している彼がというのだ。
「だからな」
「それでか」
「お前の言う通りにだ」
それでというのだ。
「やっていっている」
「それも練習だと思ってか」
「そうしている」
「そうしてくれているとな」
「いいか」
「だが何もない奴はな」
零点の者はというのだ。
「そもそも努力自体をだ」
「しないか」
「自分勝手に自分は偉いと思っていてな」
そうしてというのだ。
「批判ばかりだ、だが」
「それでもか」
「努力している人間は結果を出す」
それをというのだ。
「能力も人格もな」
「どれもか」
「だが零点の奴、屑はな」
「一歩も進歩しないか」
「何もな、だから他の奴が成長するのを見てな」
その能力や人格がというのだ。
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