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イベリス

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第三十二話 夜の会話その四

「本当にね」
「最初からしないことね」
「そういうことよ、今日はもう何処にも行かないわね」
「行かないわ」
 咲は即座に答えた。
「テスト勉強が終わったら寝るわ」
「それがいいわ、寝ることもね」
「大事よね」
「ちゃんと寝てこそ」
 まさにというのだ。
「何でも出来るのよ」
「テストについても」
「それこそね」
「寝ていたら健康で」
「頭の回転もいいから」
「寝不足だと」
 咲もそこはわかった。
「どうしても」
「頭の回転悪いでしょ」
「ええ」
 咲は母に答えた。
「ぼーーーっとしててね」
「だからなのよ」
「よく寝てる方がいいのね」
「アインシュタインは一日十二時間寝ていたわよ」
 人類史上屈指の天才と言われている彼はというのだ、尚彼は幼い頃はその才能を発揮していなかったという。
「凄いでしょ」
「それ私も聞いたことはあるわ」
「そうなのね」
「そんなに寝ていたの」
「レオナルド=ダ=ヴィンチは一時間位だったけれどね」
 ルネサンス時代の万能の天才はそうであったという。
「一日十五分ずつ椅子に座ったままね」
「それも凄いわね」
「まあそれでもね」
「ダ=ヴィンチは大丈夫だったの」
「睡眠時間は人それぞれね、けれどよ」
「ちゃんと寝ることね」
「そのことが大事よ」
 言うまでもなくというのだ。
「だから咲もよ」
「自分に相応しいだけなのね」
「寝なさい、あんたは大体六時間か七時間位かしら」
「それ位ね」
 実際にとだ、咲は答えた。
「六時間寝たらね」
「大丈夫ね」
「それで七時間寝たら」
 それ位でというのだ。
「もう完全にすっきりしてるわ」
「そうでしょ、だったらね」
「六時間か七時間はなのね」
「寝なさい、間違っても徹夜はしない」
 このことも大事だというのだ。
「一日全く寝ないとかね」
「絶対に駄目よね」
「身体に悪いし頭の働きもね」
 これもというのだ。
「かなり落ちるわ」
「そうなるのね」
「それで寿命にも響くから」
「徹夜したら」
「そう、身体にガタがきて脳細胞もね」 
「死ぬのね」
「かなりね、いいことなんてないから」
 徹夜をしてもというのだ。
「最悪でも少し位はね」
「寝ることなのね」
「毎日ね、三日連続で徹夜なんてしたら」
「物凄く身体に悪くて脳細胞も死んで」
「精神的にもとても悪いから」
 だからだというのだ。
「早死にの元よ」
「したら駄目ね」
「毎日自分の適量を練ることよ、八時間が適量なら」
「八時間寝ることね」
「そうよ、それでアインシュタインはね」
「十二時間寝ていたのね」
「一日の半分ね」
 そうしていたというのだ。 
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