FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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乱戦模様?
前書き
順調に進んでいたと思いましたが結局一週間近くかかっているのは時間がないからと言い訳させておいてください|ョω・`)イイワケノテンサイ
第三者side
プルプルプルプル
「こちら評議院本部、どうした?」
ウォーレンが作った携帯式魔水晶通信機。全世界に普及しつつあるそれは評議院でも活用されているようで、ジュラが目の前のテーブルに置かれていたそれを手に取り会話をしている。
「・・・わかった、すぐに船でこちらへ戻ってきてくれ」
「誰からですか?ジュラさん」
短い会話を終え通信用魔水晶をテーブルに置き直すジュラ。そんな彼の表情から何かあったことは間違いない。それが何なのか気になったメルディが問い掛ける。
「ウルフヘイム様が意識不明の重体らしい」
「え・・・」
イシュガルの四天王の一人であるウルフヘイム。彼は天使の目撃情報を受けてその国へと出向いていたのだが、そこで天使と思われる人物たちに破れてしまったらしい。
「ウルフヘイム様は大丈夫なんですか?」
「命に別状はないとのことだ。だが、ウルフヘイム様でも歯が立たないとは・・・」
信じられない報告に頭を抱えるジュラ。重苦しい雰囲気の部屋の扉がノックもなく開かれる。
「戻ったぞぃ」
「ウォーロッド様」
ウルフヘイムやカミューニたちと同様に天使の報告を受けて他国へと渡航していたウォーロッド。そんな彼は何事もなかったように評議院へと戻ってきたのだ。
「いかがでしたか?」
「私のところは空振りじゃ。痕跡になりそうなものも残っておらんかった」
「そうですか・・・」
天使の目撃情報の土地に訪れても大半は既にその姿がなくなっているのがほとんど。しかもその場に天使が残っていてると一方的にやられて帰ってくるのが続いており、ますます頭を悩ませる要因になっていた。
「他の皆は?」
「ゴッドセレナ様とリュシー殿のところは既に何もなく今帰路についているとのことです。ハイベリオン様とカミューニ殿からはまだ報告がありません」
「そうか・・・」
いまだに底が知れない敵の存在に対策の施しようがない評議院。だが、彼らの中でも一つだけ希望の光はある。
「一度レオンくんを目撃情報のある地に行かせるのはありかもしれんな」
実力だけなら天下一品のレオン。彼ならば天使たちの対抗馬になり得る上に、活路を見出だしてくれるのではないかと考えたウォーロッド。それにメルディも同調し頷いていたが、ジュラだけはタメ息をついて首を振った。
「ワシもそれは考えました。ですが、今のレオンでは戦力になり得ません」
「え?どういうことですか?」
ジュラが何を言いたいのかわからずメルディが問い掛けたが、すぐに思い当たる節がありポンッと手を叩く。
「もしかしてケガの具合がまだよくないとか?」
アルバレス帝国との戦いで最も大きなケガをしたと言っていいレオン。その影響で最近まで依頼にも行けずにいたが、今回ようやく活動を始めた。ただ、まだ完治していなければ実力が出し切れないとも考えられるが、ジュラはそれを否定する。
「いや、レオンのケガは完治しているし、何なら身体も大きく成長したことで身体能力、魔力も格段に上がっているだろう」
「じゃあ何が問題なんじゃ?」
天使の力が未知数であるが故の不安なのかとも思われたがそうでもないらしい。ジュラは自身の髭を触りながら、慎重に言葉を選んでいく。
「奴が戦力にならない理由はシェリアの存在です」
「シェリアが何かしたの?」
「・・・最近の奴はシェリアにいいところを見せようとして以前までのような戦い方をしなくなってしまったんだ」
実力もさることながら彼が高い評価を得ていたのは勝ちに貪欲だったから。状況が悪いと見ると敵を欺く言動を見せたり、その場の状況を見極めることにも長けていたことが彼の強みでもあった。しかし、最近の彼にはその様子が見られなくなっているという。
「でもレオンならそんなことしなくても十分に戦えるような・・・」
「確かにそれも一理ある。だが、レオンは極端に悪い方向に進んでいる」
「悪い方向とは?」
「シェリアにいいところを見せる・・・奴はそのために力を温存し・・・何なら一撃で決めたがる傾向が出てきているんです」
好きな人にいいところを見せる・・・その見せ方にも色々あるが彼は自身の能力が高いことをよくわかっている。そのため、その能力を使って相手を圧倒して勝つ・・・その思考が彼を支配し、後手に回ってしまうことが多々あるのだ。
「並の相手ならそれでも勝てる・・・だが、ワンランク上の相手になればそれだけでレオンは戦力にならない」
「それならシェリアに説得してもらえば・・・」
メルディの疑問に首を振るジュラ。それは彼女の言葉に彼が従わないということではない。
「実はシェリアも今のレオンの考え方を気に入ってしまっているんだ」
「え?」
男として好きな人にカッコいいところを見せたいレオン。それに対しシェリアは女として好きな人のカッコいいところを見たいという思考が勝っており、それがさらなる困難に直面させている。
「以前まで要所でフォローに入っていたシェリアがレオンに手を貸さなくなってしまった・・・そのせいでラウルもレオンのアシストに動くに動けない」
彼の力を彼女もよくわかっている。しかし、それをあまりにも過信しすぎている彼女は大事な少年を助けることがなくなってしまった。自身は一歩引いて彼を立てる・・・そして立てられた彼はますますいいところを見せようと戦い方が雑になっていく。
「二人の相手を想う気持ちが悪い方向に出てしまっている。それを治せるとすれば、シリル殿とウェンディ殿しかいない」
先の二人と仲も良い上に同じ関係性の二人。彼らの姿を見れば自分たちの状態が異常であることに気付くだろうとジュラは期待をしていた。
「最初は二人に説得させようかとも思ったが、カミューニ殿がせっかくなら依頼を四人で完遂させようと提案してくれてな。確かに実際に見た方が早いかもしれない」
「カミューニくんか・・・」
ジュラから出た名前を聞いて眉間にシワを寄せるウォーロッド。それには二人とも気が付いていたが、それを聞くよりも早く彼は部屋から出てしまい、二人は顔を見合わせることしかできなかった。
シリルside
「永久凍土!!」
まさしく力任せといったモーションから拳を繰り出すレオン。しかし、それは待ち構えているバリーザウィッチに決まるはずもなく難なく交わされてしまう。
「水竜の・・・」
レオンの背後から・・・敵の死角になる位置からブレスで援護しようと試みるが、それに彼は気が付いていないのかそのコースに入ってくる。
「っ・・・」
慌ててその攻撃を中断するが彼は何も気にする様子もなく攻撃を仕掛けるばかり。そこには協調性もなければ何か策があるようにも見えない。
「めんどくさ・・・」
最初に出た言葉がそれだった。何が彼をそうしているのかはわからないが、気にもならない。なぜなら彼にはその可能性は十分にあったから。
「これが捻れていくと、ティオスに向かっていくのかな?」
俺たちの最大の脅威にして最悪の存在だったティオス。それは俺でもあるが、意識の大半はレオンだ。彼は幼い頃にリオンさんに比べられて育ったせいで挫折し消息を絶つところまでいった。その後は運も重なり持ち直したが、その時のせいで性格に多少なりとも難があるのは俺から見てもわかる。
「どうせ今回もそんな感じだろ?」
彼に違和感を抱く時はだいたい何か変なことを気にしていることが多い。それが何なのかはわからないが、気にしようとも思わない。
「竜魔の・・・」
ただ、このままでは前回の戦いと同じ結果になってしまう。あの時の屈辱はもうこりごりだ。そうなればやることは一つ!!
「咆哮!!」
水と風を纏わせたブレス。それを俺は同じ部屋にいる二人目掛けて放つ。
「「!!」」
攻撃が迫ってくる音で二人は気が付いたようだがその時にはもう既に遅い。放たれた攻撃は二人を瞬く間に飲み込む。
「くっ・・・」
魔法が晴れるとそこには傷だらけになりながらも仁王立ちしているバリーザウィッチと、同じようにボロボロになっているレオンが姿を現す。
「何すんだシリル!!殺す気かよ!!」
これにはさすがにお怒りモードのレオン。でも、俺はそんな彼に対し舌を出し悪びれることなく答える。
「レオンが勝手な行動するならそれでもいいよ。俺も自由に動かせてもらうから」
彼の狙いがわからないならいっそのこと二人とも倒してしまえばいい。優位性とか協調性とか関係ない。俺がこの場を掌握してみせる!!
後書き
いかがだったでしょうか。
シリルとレオンの共闘と見せかけてまさかの三つ巴です。
シリルがレオンと関わってからどんどん性格があれになってますが気にしないでいってみましょうww
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