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冥王来訪

作者:雄渾
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異界に臨む
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前書き
初投稿です 

 
横たわる巨人の前に、軍用車が近づいた。
車を離れた場所に止めると、数名の男達が、後ろから飛び出す。
助手席から、降りた男の指示の下、目の前の物へ、駆け寄った。
鉄帽に、深緑の戎衣を纏っている。
彼等は、針の様な銃剣を付けた小銃を持って、近づく。
静かに、忍び寄ると、巨人から一組の男女が表れて周囲を伺う。
拳銃を手にした指揮官が、手招きをする。
立ち止まった兵士達は、銃を構え、呆然とする男女へ銃を構える。

指揮官は、銃を構えた右手に左手を添える。
そして、拳銃をゆっくり挙げて、彼らに、尋ねた。
「動くな。人民解放軍だ」


近くに止めた車からは、煌々と、前照灯が照らされる
灯火の中、一組の男女は、両手を上げて無抵抗の意思を示した。
その後、再び問うた。
「あなた方は、何方から来られたのですか」

まず、黒い服を着た男の方が話し掛けたが、理解出来なかった。
どうやら外国語らしい。
顔立ちからすると、恐らくは、日本人、或いは、朝鮮人。

ひとしきり話した後、脇に居た女が変わって話し始めた。
流暢な北京官話で、話しかけて来る。
「私たちは日本から来ました。ここはどこですか」
指揮官は、外国人だとわかると、拳銃をゆっくり下げ、拳銃嚢に仕舞う。
ここで、もし殺せば、場合によっては、自分の政治生命は立たれる。
そう思って、態度を軟化させた。


俄かに、周囲の兵達が騒ぎ始めた。
見た事も無い、大型の戦術機と思しき機体に、一組の男女。
そして、半ば鎖国状態の、この国に、日本人とは……

 
指揮官は、兵達を宥めてから、再び話し始めた。
「ここは、蘭州より150キロほど西方に来た場所です」
おそらく、強化服であろう異様な服を着た長い髪の女。
彼女は、脇にいる男に話し掛けていた。
男が話すと、女が通訳をし、指揮官に語り始める。
横たわっている巨人を、操縦中に、道に迷って不時着したのだという。
その話を聞いて、おそらく新型の戦術機は、戦闘中に迷ったのであろうと、彼は判断した。

取り敢えず、その場で対応出来る様、本部に連絡を入れる。
彼らは、指揮官と1名の兵士を残し、その他は、敵の集団が消えたとされる場所の確認へ向かって行った。


ちょうど夜が明け始まる時間帯であった。
 
 

 
後書き
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