改悪
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第二章
「今度は発表したらネットで炎上しますよ」
「ナチスだからね」
「はい、止めた方がいいです」
「じゃあこれもかな」
今度は白い詰襟でズボンだった。
「駄目かな」
「スターリンにしか見えないです」
「スターリンはナチス並にやばいね」
「若い女の子どころかこっちもネットとかで炎上しますよ」
発表すればというのだ。
「本当に最初のより余計に悪いよ」
「何か考えれば考える程悪くなっているね」
ここで三宅はこんなことを言った。
「今の僕は」
「そうみたいですね」
「参ったな、後はこの服だけなのに」
「考えれば考える程悪くなっていて」
「弱ったよ、どうしようかな」
「それならです」
猪木はこれまで以上に顔を曇らせた三宅に提案した。
「一度思いきりジムで身体を動かして」
「汗をかいてかな」
「それでそこでサウナとかお風呂にも入って」
その様にしてというのだ。
「お酒も飲んで寝られて」
「それでかな」
「明日考えられては。〆切り大丈夫ですよね」
「明日だよ」
まさにその日だとだ、三宅は答えた。
「そっちは」
「だったらです」
「今日はだね」
「もう考えれば考えるだけ悪くなるなら」
それならというのだ。
「もうです」
「考えるのを止めてなんだ」
「思う存分気分転換に専念して」
そうしてというのだ。
「寝られたらどうですか?」
「そうすればいいかな」
「思い切って。どうですか」
「そうだね、また考えてみたけれど」
何だかんだで三宅は色鉛筆を走らせてそうしていた、そして今度も見せたが。
「今度はオスカルですか、下は白のドレスみたいなスカートの」
「これもどうかな」
「コスプレですね」
そのみらびやかなデザインを見た猪木の感想はこうだった。
「もう」
「外に出て行く時の服だけれど」
「やっぱりないですよ」
「そうなんだね」
「はい、やっぱりどんどん悪くなっていますから」
それでというのだ。
「休まれた方がいいです」
「そうなんだね」
「はい、ここは」
「そこまで言うならそうするよ」
実際自分でもそのデザインはこれはないと思っていた、それでもういい加減今日は休もうと思っていた。それでだ。
これをいい機会としてジムに行って水泳で身体全体を動かしサウナに入ってその後は自宅で飲んでだった。
そしてぐっすりと寝た、その後でだった。
三宅はあらためて服のデザインにかかった、朝食を食べてすぐにそうしたが。
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