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イベリス

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第三十一話 男の子の食べものその二

「うちの店の美味さ知ってくれよ、兄貴も高校卒業して修行はじめたんだよ」
「へえ、お兄さんもそうなの」
「じゃあ浜崎君もそうなるの?」
「やっぱりそうなの?」
「ああ、兄貴が将来店継いでな」
 そうしてというのだ。
「それでなんだよ」
「浜崎君もなのね」
「将来は菓子職人ね」
「そうなるのね」
「そうだよ、時々でもやってるしさ」 
 店を継ぐ為の修行をというのだ。
「それでうちの店の和菓子マジで美味いから」
「私達にも食べて欲しい」
「そう言うのね」
「そうなのね」
「うん、美味しいもの食べるのに性別は関係ないよ」
 こうも言うのだった。
「そうだよね」
「確かにね」
「言われてみれば」
「その通りね」
「だから」
 それでというのだ。
「よかったらね」
「半額だからなのね」
「それで買って」
「そして食べてみて」
「そう言うのね」
「そう、よかったらね」
 こう言うのだった。
「頼むよ」
「それじゃあね」
「そこまで言うならね」
「半額だしね」
「それじゃあね」
「そうね」 
 咲も言った。
「半額ならね」
「そこいいわよね」
「やっぱり半額って大きいわよね」
「それだけで心動くわよね」
「やっぱり」
「ええ、それじゃあ」
 咲は自然とだった、お金を出して。
 そうして柏餅とちまきを買った、ちまきは粒あんだけでなくこしあんの方も買った。両方共色は白だった。
 そしてそれ等を食べてだ、こう言った。
「うわ、これは」
「美味しいの?」
「そうなの?」
「実際に」
「これはね」
 食べてみてだ、咲は述べた。
「美味しいわ」
「そうなのね」
「実際になのね」
「浜崎君のお店のお菓子美味しいのね」
「そうなのね」
「ええ、これで半額なら」 
 食べてみての言葉だ。
「いいわ」
「元の値段もいいしね」
「それなりだし」
「スーパーで売ってるのと同じ位だし」
「それじゃあね」
「いいね」
「これは」
「うん、それじゃあね」
 それならと言うのだった。
「皆も買ってね」
「そして食べればいいわね」
「じゃあ私達もね」
「そうしましょう」
「是非ね」
 クラスの女子達もだった。 
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