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八条学園騒動記

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第六百四十話 最低な奴だからその五

「自分のことだけ考えてな」
「そうしてか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「保身の為に何でもしようとなってな」
「それでか」
「どんな醜い悪事でもな」
「するか」
「それも平気でな、そしてあいつはな」
「その小悪党か」
「しかも性根が捻じれ切って腐り果てたな」
 そうなったというのだ。
「小悪党だ」
「だから吐き気の催す邪悪にもなるか」
「将来はそうなるに決まっている」
 まさにというのだ。
「だからな」
「あいつとはか」
「間違ってもだ」
「付き合ったら駄目か」
「若し付き合えばあいつに自分より下だと思われれば」
 その場合からだ、タムタムはフランツに話した。
「徹底的に馬鹿にされて上だと思われるとな」
「諂われてか」
「利用される」
「自分の悪意にか」
「そうなる、そしてあいつはいざとなればな」
 自分の状況がまずくなればというのだ。
「切り捨てる」
「どんな醜いことをしてもか」
「そうする」
「そんな奴か」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「あいつとはな」
「付き合わないことか」
「絶対にな」
 まさにというのだ。
「だから他の奴も無視してな」
「お前もか」
「そうしているしお前もな」
「付き合わないことか」
「絶対に付き合ってはいけない奴はいる」 
 世の中にはというのだ。
「それこそが吐き気を催す邪悪だ」
「あいつはそうなるか」
「将来は確実に碌な奴にならない」
 確信を以てだ、タムタムは言い切った。
「弱い者いじめが大好きで強い奴には諂い告げ口や吹聴が常でだ」
「底意地が悪くてだな」
「ケチでもあって人を利用することもな」
「全く平気か」
「そして図々しいともなれば」
「図々しくもあるのか」
「人の家の前を通って何の約束もしていないのにな」 
 それでもというのだ。
「平気で家にあがってきて牛乳飲ませろだ」
「家の前を通っただけでか」
「そう言ってくる」
「それは酷いな」
「そんな奴だ」
「人間としていい要素がないな」
 フランツもここまで聞いてこう認識した。
「本当に」
「そんな奴だからな」
「嫌われ者か」
「何処でもそんな奴はいるが」
 それでもというのだ。 
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