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レーヴァティン

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第二百二十八話 建て直しその十二

「これまで通りものを送っていく」
「兵糧や武具を」
「そうしていきますね」
「そして順調に進めていく」
「そうしていく、まずはものを集める」
 このことが重要だというのだ。
「それが第一だ」
「はい、銭で買ってです」
「全軍が食って戦えるだけのものを揃える」
「まずはそれからですね」
「それが出来ないと戦にならない」
 そもそもというのだ。
「食えない兵が戦えるか」
「それでは生きることすら無理です」
「倒れてしまいます」
「そうなってしまいます」
「飢えては力も出ません」
「そして武具もないとだ」
 刀や槍、弓矢、鉄砲に具足がというのだ。
「やはりだ」
「素手で戦うなぞ」
「しかも丸裸で」
「これも無理です」
「無茶な話です」
「だからまずは全軍のそれを整える」
 これが第一だというのだ。
「それが出来てだ」
「銭を用い」
「そうしてこそですね」
「戦が出来る」
「その第一ですね」
「まさに」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「その揃えたものをどう送るか」
「今がそれですね」
「その段階ですね」
「ではこれよりですね」
「的確に送っていきますね」
「それが出来るか出来ないかだ」
 英雄はさらに言った。
「俺の資質が問われる、ではな」
「はい、そちらもですね」
「ことを進めていきますね」
「その様にしていきますね」
「何か誤りがあれば言え」
 英雄はこうも言った。
「俺は何でも聞く、そして聞いてもだ」
「罪に問わない」
「上様のお考えは左様ですね」
「戦においても」
「言いたい者は言え」
 英雄はこうも言った。
「腹が減ったなら減ったでだ」
「刀がないならない」
「あるならある」
「そして食ったなら食った」
「その様にですね」
「そうだ、言わねば俺が見るまでのことだ」
 英雄自身がというのだ。
「だからな」
「はい、それでは」
「その様にしていきます」
「声は全て届けます」
「前線の声を」
「その様にな、どの兵も常にたらふく食え充分な武具を身に着けている」
 その様にしてこそというのだ。
「俺はそれで最初だと思っているからな」
「それ故にですね」
「足りぬなら足りぬ」
「そう言っていいのですね」
「言わねば実際に見る、またおのずと見ることもな」 
 自分からそうすることもというのだ。
「行う、ではその様にしていき」
「これよりですね」
「軍勢に兵糧や武具を抜かりなく送る」
「その様にしていきますね」
「そうしていく」 
 こう言ってだった。
 英雄は城の再建を進めつつそのうえで補給をしていった、その為の手筈も全て整えそうして後方での戦をしていくのだった。


第二百二十八話   完


                 2021・10・1 
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