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ハッピークローバー

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第四話 テスト勉強その六

「だからな」
「それでよね」
「お父さんも定時に帰ってな」
「お家でゆっくりしてるのね」
「そうだ、無理はするな」
 くれぐれもというのだ。
「それは会社も学校も同じだ」
「学生でもなのね」
「若くてもな」
 まさに十代の人生で最も元気な時でもというのだ。
「無理はな」
「身体によくないから」
「よく勉強してだ」
「よく寝ることね」
「つまりよく休め、寝てこそだ」 
「いいのね、かな恵も言ってたしね」
 一華は食べつつ彼女のことを思い出した。
「昔の漫画家さんがどうして若死にか」
「かな恵ちゃんが言ってたのね」
「手塚治虫さn達がどうしてそうなったか」
 一華は今度は母に応えた。
「それをお話してくれて」
「そうだったのね」
「二日三日普通に徹夜していたからだってね」
「あの人達は有名よね」
「そうみたいね、名前は皆知ってるし」
「物凄い数の作品を描いたけれど」
 それでもとだ、母は娘に話した。
「かな恵ちゃんの言う通りにね」
「徹夜ばかりしてだったの」
「漫画描いていたから」
 その様にしていたからだというのだ。
「殆ど寝なかったからよ」
「休んでいないから」
「六十とかそれ位でね」
「亡くなっていったのね」
「そうよ」
「人間五十まで生きられない人もいるが」 
 父はご飯を食べながら悲しい顔で述べた。
「それでも六十はもう若いな」
「今だと」
「人間五十年じゃないんだ」
 娘にこう話した。
「七十年いや八十年だ」
「そこまで生きるのね」
「そうなっているからな」
 今はというのだ、医学の進歩がそれに大きな貢献を果たしていることは言うまでもないことである。
「六十だとな」
「若いのね」
「お祖父ちゃん七十過ぎて元気だろ」
 父は娘に実家にいる自分の父の話をした、尚実家は大阪である。
「そうだろ」
「よくたこ焼きがどうとか言ってるわね」
「ああ、今じゃな」
「七十過ぎてもなのね」
「あれが普通だ」
「元気なのね」
「そうだ、けれどな」
「六十でだと」
「残念だ、実際手塚さんも長生きしていれば」
 その時はというのだ。
「よかったのにな」
「もっと沢山の作品を残せたのね」
「手塚さんなんか絶筆の作品もある」
 それも二作あった。
「病床でも描いていたそうだが」
「亡くなる直前までなの」
「藤子不二雄さんもな」
 Fの方である、ドラえもんの大長編を描いていたがだ。
「ペンを持ったままな」
「六十位で」
「そうなった、若い頃に無理をしてもな」
「後でくるのね」
「だからよくない、今からよく寝るんだ」
 娘に強く言った。
「電車の中でも寝られたらな」
「寝るといいのね」
「そうするんだ、休めたらな」
 それならというのだ。 
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