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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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10-⑵

 美鈴から相談があるから、言って来た。

「蒼 相談なんだ。私 どうしたらいいかと思って・・ 清音のことなんだ」

「清音って 妹のことか?」

「うん 私 それとなく、お父さんに、しゃべっちゃったんだ 妹が居たこと やっぱり、会いたいみたいなのね」

「そうだろうな 自分の子供なんだから」

「どういう訳で 離れているのかは、わかっていないんだけど・・」

「美鈴は 会いたいのか?」

「半分半分 でも、お父さんが、会いたいのなら・・」

「でも、会って、どうしたいんだ?」

「うーん 出来れば、一緒に暮らしたい 責めるわけじゃぁないんだよ 私 蒼のものになってしまうから お父さん 寂しくなるかなって」

「美鈴って どこまで・・ お父さんのことを・・」

「うーん だけどさー 家族思いで、一生懸命、私達の為に働いてきたのに、突然、家族 失くなってしまったのよ 不幸だと思わない? だから・・私」

「わかったよ でも、会って すんなりいくかなぁー」

「蒼の考えていること、わかる あの子 乱れた生活なんでしょ 蒼は、隠しているけど 私 何となく、わかっていた あの時のにチャラチャラしたような服装だったから・・」

「そうか 美鈴 鋭いからな そこまで、わかっているんなら・・ じゃぁさ 美鈴に黙っていて悪かったけど・・光瑠が或る程度知っているんだ 直接 聞いた方がいい ここに呼ぼうか?」

「光瑠? 明璃ちゃんから聞いたの?」

「うん 最初はね でも、こっそり、調べてもらったんだ ごめん」

「それは いいんだけど 光瑠にまで、心配かけたのかー」

 僕が、光瑠に連絡すると、出てきてくれることになった。待っている間に、お父さんと鞍馬に出掛けたことを、美鈴は話していて、ポツリと「蒼とゆっくり温泉にいきたい」と言っていた。

 光瑠が急いでやってきたみたいで、息を切らしていた。

「なによー いきなり 私 品行方正なんだから、夜になって出るなんて無いんだからね 女の子が」

「ごめんね そーだよねぇー、光瑠は品行方正だものねぇー」と、美鈴が光瑠の顔を覗き込んでいた。僕には、意味ありげに感じていたのだが

「光瑠 ごめんね 報告遅れたけど、私達 結婚するの」と、美鈴が切り出した。

「やったね 今更って感じだけど いつ?」

「うーん 今 お店を広げる計画してるから、落ち着いたらね」

「そうかー でも、おめでとう 蒼 幸せにしてあげてよー」

「もちろんだよ それでね、電話で話したように、美鈴が清音ちゃんに会うことどうかなって思ってな」
 
 その時、光瑠は美鈴をみつめて、しばらく黙っていたが

「美鈴 心して、聞いてよ」と、光瑠は、前に見てきたことを話して、それ以降の僕の知らないことまで話し始めたのだ

「清音ちゃんは、勤めているお店の人達にも評判は良いのよ、だけど、男が悪くってね お金を清音ちゃんにせびりに来るらしくって、清音ちゃんの顔を叩いて、財布ごと奪い取って行ったこともあるらしいのよ だけど、清音ちゃんはあの人は本当は優しいのよと笑っていたみたい ひどくない?」

 美鈴は下を向いたきりだった。何かを考えているのだろうか

「だけどさー お母さんも一緒なんだろう 何で、そんなんになるのかなぁー」と、僕がつぶやくと

「そうなんよ 多分、お母さんとは、一緒に住んでいないわよ もう」と、光瑠も言っていた。

「美鈴 会ってどうするんだよ そんな状態なのに 一緒に住もうなんて だいたい、その男だって清音ちゃんを手放すと思えない 金ずるなんだろう」

「あっ もう一つ その子 小野って苗字みたいよ だから、妹さんじゃぁ無いかもね」と、光瑠が言うと

 それまで、黙っていた美鈴が、思い切ったように話し出した

「小野って お母さんの旧姓なの あの時、お母さんが一緒に出て行った男は、上野という苗字なのよ 何か事情があったのね やっぱり、会いに行かなきゃ ずーと、このままじゃぁね」

「だけど、無理やりなことすると、美鈴だって危険だし、そんな奴だから、美鈴のお店に嫌がらせしてくるかも知れないよ」と、光瑠は心配していた。

「そうよね 変な風にすると、清音だって、素直になれないかもね 難しいよね」と、美鈴は考え込んでしまった。

「とりあえず 僕が会ってみようか」 

「だめよ 角立つわ お姉ちゃんの昔からの仲良い男の子って、わかっているんだから・・私ね 思い切って 明璃に行かそうかとも思ったりするのよ あの子、不思議とそういうことをうまくこなすような気がするから・・ ねぇ 美鈴 聞いている?」

「あっ ごめんね 考えちゃって」と、美鈴は何かを考えていたのだ

「あのね 私 堤さんにお願いしようかと、思って」

「堤さんって、あの工務店の なんで・・あの人 信用できるの? 私ねなんかあの人、やさぐれているとこあるような気がすんのよね」

「どうして? とっても、親切で助けてくれているわよ」

「それは なんか 美鈴に下心あるんちゃうの」

「光瑠がそんな風に言うのって らしくないわよ 見た目で判断するなんて 今回のお店のことでも、助かっているわよ」

「うー そうかな 蒼 どう思う」

「うん 僕は、あんまり、あの人のこと知らないから何とも・・ でも、ナカミチのことを昔から知っていて、美鈴のこと応援はしてくれているのは確かだ 美鈴がいいのなら、それも手かもな」

「実はね あの人 昔から、バイクにも乗っていて 確かに 昔は・・チョットということあったみたい でも、明璃軍団の連中とも関わりあるみたいだし、彼らから聞いたんだと思う 清音のことも、少し相談したのよ」

「そうなのよね 明璃 男の子とつるんで遊ぶの、いい加減にしなさいと言って居るんだけど・・」

「でも 明璃ちゃんは しっかりしているし 良い子よ」

「で 光瑠 ここは 美鈴のことだし とりあえず 美鈴の思う通りでいいか?」

「そうね 美鈴が言うんだから とりあえずね うまく、いくこと願うわ 何かあったら、又、言ってちょうだいね」と、光瑠も納得した。 




 
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