ヘタリア大帝国
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TURN49 騎士と海賊その二
「共有主義が東方に紛れ込めば」
「ああした国がどんどん出来る可能性もあった」
「それは恐ろしい騒乱の種になったでしょう」
「しかしか」
「はい、l貴方達が入ったことにより」
ネルソンは東郷に応えながら日本にも話す。
「それが大きく変わりました」
「そうなったな。結果的に」
「貴方達は太平洋経済圏をスムーズにはじめました」
武力を用いてだがやはり結果としてそうなったというのだ。
「非常にいいことに」
「そのことは評価してくれるか」
「はい、しかしです」
だがそれでもだというのだ。ネルソンの口調と表情が少し変わった。
「だからといってです」
「こちらに入ることとは別か」
「私はエイリスの騎士提督です」
彼を彼たらしめている絶対の誇りの拠り所だ。
「それならばです」
「忠誠心は変わらないか」
「私は女王陛下の騎士です」
やはりこう言うのだった。
「だからこそ」
「入らないか」
「決して。しかし」
「しかしか」
「若しもこのはじまろうとしている平和が共有主義に乱されるならば」
ネルソンは共有主義もまた主な敵に置いていた。
「私もまた」
「戦うか」
「ガメリカや中帝国も太平洋経済圏に入りたがっているとか」
「入りたいどころかな」
「彼等がこの経済圏の盟主になりたいですね」
「ああ、我が国とあの二国の戦いは太平洋の主導権争いだ」
東郷ははっきりと言い切った。太平洋における戦争の本質を。
「我々としては各国の地位は平等でな」
「日本がリーダーにしてもですね」
「指導的な国は必要だからな」
どの組織においても言えることだが太平洋経済圏においてもそれは同じだというのだ。だから日本がリーダーだというのだ。
「しかし支配するつもりはない」
「各国をですね」
「融和路線だ。要するにな」
「我々は支配するつもりは毛頭ない」
山下も毅然とした声で言う。
「それは我が国の国是に反する」
「日本の国是ですか」
「八紘一宇と言うべきか」
山下の口からこの言葉が出された。
「つまりどの国ともだ」
「対等の立場で融和的にですか」
「交流をしていくのだ」
「理想論ですね」
ネルソンは山下から聞いた日本の考えをまずはこう言い捨てた。
「そうしたことはとてもえす」
「できないというのですね」
今度は日本がネルソンに応えた。
「そう仰るのですね」
「はい、そうです」
その通りだとだ。ネルソンは日本にも答えた。
「厳しいことを言わせて頂きますが」
「そう言われるとは思っていました」
「それこそ我が国の様に植民地にしていくか」
ネルソンはまずはエイリスのやり方から話した。
「ガメリカや中帝国が考えている様な」
「独立はしてもらってもですね」
「盟主として君臨し自分達が主導していくか」
実際にガメリカと中帝国はそう考えていた。日本はその場合ソビエトへの番犬にするつもりなのだ。彼等が盟主となり。
「ファンシズム、ソビエトの実態もそうでしょうが」
「全ての国を統一して、ですね」
「ああして絶対の統治をするかです」
「一人の独裁者が全てを治める」
「その三つしかありません」
ネルソンはこう断じた。
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