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レーヴァティン

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第二百二十七話 会津若松城その六

「ならです」
「火攻めは成功だな」
「それでは」
「明日だ、明日になれば火が鎮まる」
「その時にですね」
「城に入る、もう外堀の方の城壁も焼け落ちる」
 見ればそうなろうとしている、門も櫓もである。
「ならな」
「明日は」
「その様にする」
 こう言って今は紅蓮に燃える城を見ていた、そして実際に次の日になれば火は完全に鎮まっていて。
 英雄は軍勢と廃墟と化した城に入った、そのうえで。
 先に進んでいった、城の中の街だった場所はすっかり焼け落ちていて敵兵もおらず進むのは楽だった。
 その街の中を進みつつ英雄は言った。
「では内堀の前までな」
「進むっちゃな」
「その様にする」
 隣にいる愛実に答えた。
「そしてだ」
「あらためて囲んで」
「そうして一気に攻める」
「もうっちゃ」
 愛実は英雄に話した。
「敵は内堀の中もっちゃ」
「建物がかなり焼けてだな」
「兵もかなり減ったっちゃ」
 焼け死んでというのだ。
「その証拠にっちゃ」
「魂が多いな」
 見れば英雄達の周りもふわふわと浮いて回っている。
「この通りっちゃ」
「そうだな、これこそがな」
「敵で死んだ者が多い証っちゃ」
「魂は確保してな」
「戦の後で蘇らすっちゃな」
「昨日の敵兵は今日の自軍の兵だ」
 英雄はこうも言った。
「だからな」
「後で蘇らせて」
「幕府に加える」
 その兵にというのだ。
「そして戦ってもらう」
「そうっちゃな」
「そしてだ」
 英雄はさらに話した。
「戦えぬ兵、倒した兵で生きている者もな」
「捕虜にしてっちゃな」
「戦の後でだ」
「幕府に加えるっちゃ」
「生きて戦っている者もそうする」
 敵のというのだ。
「兎角だ」
「敵は降れば」
「幕府に加える」 
 その様にするというのだ。
「だからな」
「魂も捕らえて」
「後でな」
「蘇らせるっちゃな」
「この世界は幸い寿命でないならな」
「死んでも蘇るっちゃ」
「例え身体がなくなろうとも」
 それでもというのだ。
「魂さえあればな」
「蘇ることが出来るっちゃ」
「だからだ」
「魂を確保するっちゃな」
「そして消すこともしない」
 その捕虜とした魂達もというのだ。
「決してな」
「そしてっちゃな」
「戦が終わった時にな」
「幕府の兵にするっちゃ」
「兵でなくともだ」
「民にするっちゃな」
「そうする、あと奴隷にはだ」
 この立場にはというのだ。 
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