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レーヴァティン

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第二百二十七話 会津若松城その五

 砲撃を術の攻撃それに爆撃を行ってだった。
 火攻めを行った、油を撒いていた為に。
 城の堀と城壁の中の街がまず燃え出した、幸いそこにはもう猫の子一匹おらず鼠達も戦が起こるとみて逃げていて。
 誰も犠牲にならなかった、城は瞬く間にだった。
 街が焼け外堀の壁や櫓も門も焼けた、英雄はその火を観つつ言った。
「ではな」
「はい、火が鎮まり」
「その後で、ですね」
「あらためて」
「攻める」
 そうするというのだ。
「もう城の中はだ」
「火が鎮まれば」
「その時はですね」
「最早ですね」
「殆どが焼け落ちている」 
 そうなっているというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「楽に進めますね」
「城の中を」
「会津若松城は街も守りだ」
 それに入っているというのだ。
「街は複雑な道がある」
「惣構えの城の特徴ですね」
「中に街があればです」
「それが迷路の様になり」
「城に入った時の守りになります」
「迷路は潰せばいい」 
 攻める時はというのだ。
「そうすればな」
「楽に進めますね」
「どういった複雑な迷路も」
「そうなりますね」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「今は焼き払った」
「そうですね」
「ではこれよりですね」
「城に入りますね」
「火が鎮まれば」
「その様にする」
「明日じゃな」
 ここで当季が言ってきた。
「火が鎮まるのは」
「その頃だな」
「そうじゃのう、それではぜよ」
「明日になればな」
 火が鎮まればというのだ。
「城に入る」
「空から見ればぜよ」
 当季は先程まで空船に乗っていた、それで空から城の方を見ることが出来た。それで今英雄にも話せた。
「もう街は全部焼けてるぜよ」
「そうか」
「それで内堀の中もぜよ」
「そこもか」
「天守閣は残っちょるが」
 それでもというのだ。
「消火に必死ぜよ」
「城の中はそうか」
「もう必死になっちょって」
 そしてというのだ。
「火をぜよ」
「消そうとしているか」
「内濠の中でそうぜよ」
「では街はだな」
「完全に放棄しちょる」
「そうか、ならな」
「明日ぜよ」
 当季は笑って述べた。
「城に入るぜよ」
「そうするとしよう」
「敵の数もかなり減っています」
 紅葉は空を見た、見れば城内の方から人魂が次々に上がってきている。城内の者達が死んで出ていることは明らかだった。 
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