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八条学園騒動記

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第六百三十六話 泉燗その十

「明るい、イスラム文学もな」
「アラビアンナイトとか」
「占いもある」 
 これもというのだ。
「そして魔法の話もな」
「あるわね」
「モンスターが出てもな」
「ジンとかドラゴンとか」
「いいしイスカンダルもだ」
 コーランでのアレクサンドロス大王である、コーランではこの人物も英雄として登場しているのだ。
「出るしな」
「冒険もありね」
「そして音楽もな」
 これもというのだ。
「賑やかだ、絵画や彫刻は弱いが」 
「それでもよね」
「他のことでな」
「賑やかになるわね」
「アラビアンナイトは危ない話も多いが」 
 性的にである、実はこの作品はそうした話も多いのだ。
「はじまり自体がそうだしな」
「兄弟の王様の王妃様達がね」
「それぞれ浮気してだしな」
「そこからはじまってるわね」
「だが何かとな」
 アラビアンナイトの話はというのだ。
「明るい」
「そうよね」
「だから楽しいものになるだろうが」
「イスラエルの文化祭はね」  
 アンはあらためて話した。
「厳粛なのよ」
「ユダヤ教らしくか」
「まるでああ無情みたいな」
 ビクトル=ユゴーの代表作である、ジャン=バルジャンが出獄してから世を去るまでの壮大な物語だ。
「陰々滅々としていて」
「怒られているみたいなか」
「イスラムの教えって励ます感じよね」
「コーランが明るいからな」
「それでキリスト教は教えるで」
 そうなってというのだ。
「ユダヤ教はね」
「ああ無情だからな」
「もうお説教を受けている」
「そんな風だな」
「イスラムを三銃士としたら」
 こちらはアレクサンドル=デュマの代表作である。ダルタニャンが軍人となりやはりこの世を去るまでの物語である。正式な名称はダルタニャン物語という。
「コーランはね」
「ああ無情か」
「若しかしたらもっと暗い」
「そして厳粛なか」
「そんな風よ」
「こうした後夜祭もないか」
「当然飲むことも」
 これもというのだ。
「ないわよ、キャンプファイアーで騒ぐことも」
「ないな」
「少しでも贅沢とか賑やかとか風俗を乱すとか」
「そうしたことはか」
「もう黄金の子牛の像を出す様な」
 映画の十戒でもあった場面である。
「そうした風に思われて」
「駄目か」
「終わったら神を讃える歌を歌って」
 そうしてというのだ。
「終わりよ」
「そこで反省もあるな」
「勿論ね」
 信仰へのそれもというのだ。
「何故受難の歴史を歩んだか」
「受難ばっかり?」
 酒、泉鏡花が好きなそれを出した女生徒も言ってきた。
「ユダヤ教って」
「そう思うわよね」
「お話聞いていたらね」
 そうすればというのだ。 
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