イベリス
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第二十七話 旅行に行かなくてもその七
「やっぱりね」
「いいのね」
「だからサウナも」
「ここで思いきり温まって」
広くそこに十人程の客がいるサウナルームの中で言った、木の席でその上にはタオルマットが敷かれている。そして前にはテレビがある。
「それで一旦出て」
「水風呂に入って冷やして」
「そしてまた入れば」
そうすればというのだ。
「ほぐれるしそれで汗もかくから」
「身体の悪いものも出るわね」
「だからいいと思うわ、そしてサウナの後は」
咲は言葉を続けた。
「色々なお風呂にもね」
「入ることね」
「ジェットバスもあるし」
咲はまずはその風呂の名前を出した。
「それで今日はワイン風呂あるし炭酸風呂に露天風呂もね」
「色々あるわね」
「その色々なお風呂にね」
「入っていくのね」
「熱くなったら水風呂に入って」
そうしてというのだ。
「身体を冷やしてね」
「また入るのね」
「それを繰り返していけば」
「肩凝りも治るのね」
「マッサージもあるし」
そちらもというのだ。
「お母さんがよかったら」
「そちらもなのね」
「やってもらったら?」
「マッサージは高いけれど」
「やってみる?」
「そうね、ここで肩凝りがかなり楽になるなら」
母は娘の言葉を聞いて言った。
「今回だけね」
「やってもらうのね」
「高いからあまり出来ないけれど」
それでもというのだ。
「それでも今回はね」
「肩凝りがあんまりにも酷いから」
「本当にガチガチで頭痛がする位だから」
だからだというのだ。
「ここはね」
「マッサージ受けるのね」
「そうするわ、この辛さは」
今の肩凝りのそれはというのだ。
「本当にね」
「辛いの」
「そうだから」
「そんなに辛いの」
「だからね」
「ううん、そうなるまでね」
咲は母のその言葉を聞いて言った、汗をかいていっていてその汗が玉の様になっていていてその玉が次第に大きくなってきている。
「放っておくことも」
「よくないっていうのね」
「ええ」
実際にというのだ。
「もっと早く何とかすべきだったかもね」
「こうしてお風呂に入って」
「何かしてこなかったの」
「肩たたきして年に一回か二回温泉に行く位だったわ」
「だったら駄目よ、肩凝りが酷い体質なら」
それならというのだ。
「毎日お風呂でね」
「温まって冷やして」
「それを繰り返して」
それでというのだ。
「何とかしていないとね」
「駄目なの」
「そう思うわ」
「お母さんの肩凝りへの対策が不十分だったのね」
「そう思うわ」
こう母に話した。
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