| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百二十六話 関を通りその五

「即座に攻め落とす」
「そうするたいな」
「三十万の兵の殆どを使い」
 奥羽攻めに投入している兵達のというのだ。
「そしてだ」
「そうしてたいな」
「攻める、会津若松城も堅固だが」
 それでもというのだ。
「大軍でしかもな」
「術や大砲を使って」
「空からも攻めればな」
 そうすればというのだ。
「確実にな」
「迅速に攻め落とせるたいな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうする、援軍が来るにしても」
「来る前に攻め落とす」
「そうする、ではな」
「城にたいな」
「向かう」
 こう言い切った、英雄は既に見ている会津若松城の縄張りそれも細かいところまでを脳裏に思い浮かべつつ言ったのだ。
「いいな」
「わかったたい」
「まずはそこからだ」
 城に着くというのだ。
「軍を万全な状態で進ませる」
「この寒さや雪の中で」
「そうすることだ」
「そうたいな、まずは」
「軍をな」
「万全な状態で進ませることたいな」
「そうすることだ、ではいいな」
 こう話してだった。
 英雄は軍を会津に進ませていった、その中で奥羽の各地に放ってる隠密達の話を聞くとそれぞれだった。
「幕府に恭順しようとしている者もいればか」
「はい、逆にです」
「戦おうとしている者もいます」
「何か強い利があるとです」
「逆らおうとしています」
「そうした国人や大名達は」
「幕府に従うならな」
 その法に従うならとだ、英雄は自分のところに戻って来た隠密達に話した。
「その利もな」
「いいですか」
「そちらは」
「左様ですか」
「港位はな、ただ金山はな」
 それはというと。
「幕府でだ」
「掌握しますか」
「金山は」
「そうしますか」
「港や街ならいい、金が巡り治めている者だけでなく幕府にも入る」
 そうなるというのだ。
「だからいい、しかしな」
「金山はですね」
「持つ者の利に全てなる」
「そうなるからですね」
「幕府が持つ、佐渡の金山も石見の銀山も同じだが」
 そうした場所と、というのだ。
「甲斐も然り、しかしな」
「それだけでなく」
「奥羽の金山もですね」
「手に入れますね」
「幕府が」
「それは貰う、しかし基本的にな」
 金山は例外としてというのだ。
「他の利、領地にしてもな」
「そのままですね」
「幕府のものにしますね」
「そうしますね」
「そうする、そしてだ」
 そのうえでというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧