八条学園騒動記
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第六百三十五話 厳しい戒律を胸にその七
「ユダヤ教徒同士でないとね」
「交際出来ないか」
「流石に法律でそこまで定めていないけれど」
「周りがか」
「言うのよ、ユダヤ教徒ならね」
それならというのだ。
「他宗教の人と付き合うな」
「若し付き合うならか」
「相手の人をね」
その人をというのだ。
「改宗させるか」
「自分がか」
「つまり国も家族も他のつながりもね」
「捨てろか」
「そう言われるの、そして結婚は」
このことはというと。
「法律で定められているわ」
「ユダヤ教徒でないとか」
「駄目よ、あと不倫は民事じゃなくて」
こちらの話にならずというのだ。
「刑事よ」
「厳しいな」
「だからユダヤ教の国だから」
そしてユダヤ教徒の国だからだというのだ。
「そこはね」
「厳しいんだな」
「食べものの戒律も厳しいし禁欲的なことと言ったら」
「法律で定められているか」
「そもそも旧約聖書が」
この聖典がというのだ。
「あれするな、これするな。贅沢はご法度の」
「そうした教えだな」
「だから贅沢もね」
「法律で禁じられるか」
「何かあったらラビの人が来て」
ユダヤ教の聖職者だ、ユダヤ教徒のコミニュティでは何かと重要な役割を担っていることはこの時代でも同じだ。
「注意されるの。ディスコとかカラオケボックスとかにも」
「来るか」
「あんまり派手だと」
その場合はというのだ。
「有名人がお洒落に凝ったりいいもの食べていても」
「暮らしにくい国だな」
「暮らしたくない国連合ナンバーワンは伊達じゃないわ」
連合でのアンケートの結果である。
「それも千年連続でね」
「不動の座か」
「厳し過ぎる、窮屈だとかいう理由で」
「そうなんだな」
「チーズバーバーも親子丼も食べられないしね」
「親子関係だからな」
ユダヤ教の戒律の特徴の一つだ、この宗教ではその関係にある食品は同時に食べることを避けているのだ。
「そのことからもね」
「言われるか」
「けれどここは日本で」
「イスラエルじゃないからか」
「ラビの人がいても」
その人達が日本にいてもというのだ。
「イスラエルの外じゃね」
「言わないか」
「やっぱり他の宗教に比べて厳しいけれど」
「本国にいるよりましか」
「遥かにね」
そうだというのだ。
「イスラエルは軍事訓練のないスパルタとも言われてるし」
「あの戦闘都市国家だな」
「スパルタも厳しかったから」
軍事訓練や共同生活もそうだったが兎角規律に厳しかった、そして贅沢を何よりも嫌っていて否定していたのだ。
「あの国みたいともね」
「言われていてか」
「もう規律だらけね」
「軍隊みたいでか」
「もう軍隊に力入れてないけれどね」
地球にあった頃と違ってだ。
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