姉妹揃っての散歩
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第一章
姉妹揃っての散歩
休日になった、すると文太は妻の由里子に自宅の玄関で二つのベビーカーを見せてそのうえで話した。
「それじゃあな」
「これからよね」
「二人をそれぞれ乗せてな」
そのベビーカーにというのだ。
「そのうえでな」
「行くのね」
「ふわりの散歩にな、ただな」
ここで文太はこうも言った。
「俺達はそれぞれ一つずつな」
「ベビーカー押していくわね」
「そうするけれどな」
「それだとね」
「ふわりをどうするかだな」
「あの娘も一緒に連れて行かないとね」
「散歩にな」
「折角姉妹が揃ったから」
「だからな」
それ故にというのだ。
「そうしないといけないけれどな」
「そうね、どうしようかしら」
「じゃあ生まれたばかりの里菜ちゃんは俺が背負う」
ここで文太はこう提案した。
「そしてな」
「それでなのね」
「ふわりのリードも俺が持つ」
「そうしてくれるの」
「お前は祈里ちゃんをベビーカーに乗せてな」
「そのベビーカー押していけばいいのね」
「今日は洋介がいないからな」
二人の息子である彼がというのだ。
「だからな」
「そうするのね」
「これならいけるだろ」
ふわりと赤ん坊二人を一緒に散歩に連れて行けるというのだ。
「そうだろ」
「そうね」
妻もその通りだと頷いた。
「それなら」
「じゃあそうしてな」
「姉妹一緒に」
「散歩に行こうな」
「そうしましょう」
妻は再び頷いた、そうしてだった。
祈里をベビーカーのうちの一つに乗せて由里子が押してだった。
里菜は文太が背負いふわりに声をかけた。
「散歩に行くぞ」
「ワンワン」
そう言われるとだった。
ふわりはケージから出た、そうしてだった。
夫婦は赤ん坊達とふわりを連れて散歩に出た、すると。
「だあ」
「だあだあ」
「ワンワン」
赤ん坊達だけでなくふわりもとても楽しそうだった、特にふわりは妹達を見てはしゃいで歩いていた。
その歩き方はジャンプする様で由里子はそんな彼女を見て夫に話した。
「ふわりが特にね」
「はしゃいでいるな」
「いつもお散歩は嬉しそうだけれど」
「今日は特にな」
「やっぱり妹さん達と一緒だからね」
「ああ、間違いないな」
夫もそうだと答えた。
「多分こうしてな」
「一緒にお散歩もしたいと思っていたのね」
「ふわりはな、それで祈里ちゃんと里菜ちゃんもな」
赤ん坊達もというのだ。
「まだ物心ついていないが」
「それでもよね」
「お姉ちゃんと一緒に外に出られてな」
「嬉しいのね」
「外に出られること自体もな」
このこともというのだ。
「嬉しいんだろうな」
「そうなのね」
「こうしてな」
ここでだ、文太は。
正面を遠くを見る目で見てだ、こう言った。
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