IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
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もめる、クラス代表!
前書き
相川拓夢
16歳、黒髪に青い瞳。
実はプロボクサーのライセンスを取得している。
ジムには騒動の後顔を出して、通えなくなることを伝えている。
体力と足の速さに自信有り。
一夏の鈍感体質と巻き込み体質に対して諦めを抱いている。
ただ、鈍感体質の方はなんとかしたいとも、少しは考えている。
「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明をする」
一、二時間目とは違って織斑先生が授業をするようだ。
とても大事な話がされるのか、山田先生もノートを出して真剣な顔をしている。
クラス全体も、なんだか引き締まったようにも感じる。
俺も注意されないように確りしなければ!
「ああ、その前に再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めなければな」
・・・ん?
授業しないのですか?そうですか。
はりきった手前、なんか少し悲しかった。
「おい、相川。そうだ二人共だ、よく聞いておけよ」
今回はちゃんと織斑先生のほうに顔を向けていたのにもかかわらず、俺と清香は注意される。
これが、今の俺達の評価ってことか。
・・・あれ、一夏以上に問題児と思われてるんじゃなかろうか?
それは嫌だぞ・・・。
「クラスの代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への出席・・・、まぁクラス長のことだな。ちなみにクラス対抗戦は入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点で大した差は無いが、競争心は向上心を生む。代表は一度決まれば一年間変更は無いからそのつもりで」
とまぁ、そういうことです。
クラス代表、つまり委員長を決めますよということ。
代表は対抗戦に出るだけじゃなくて、委員会なるものにまで出なければならなく仕事が多い。
それにクラスを纏めることも出来なきゃいけないだろう。代表なんだからな。
って事はだ、ISの実力も事務処理能力も統率力もなければこなせない係りってことか。
なるほどなるほど。
・・・・・・・・・、パスだな。
クラスがざわざわと色めく。
おそらく俺の考えている事は間違ってない筈なので、きっと誰に押し付けるかを相談しているのだろう。
まぁ、俺はなるつもりないんでよろしく。
「はい。織斑くんを推薦します!」
「私もそれがいいと思います!」
よしよし。
一夏の左斜め後ろの席に座る、夜竹さんが一夏を推薦した。
それに対して、一夏の後ろの席にすわる鏡さんが同意。
織斑一夏に二票が投じられた。
当の本人は、きっとバカなことを考えているんだろう。
俺のことじゃないんだろうなって顔をしている。
「では候補者は織斑一夏・・・他にはいないか?自薦他薦問わないぞ」
「って俺!?」
驚き立ち上がる一夏。
ふふふ、そのまま決まってしまえ!
頼むから俺に回ってくるなよ・・・。
「私は相川君が良いと思います!」
「あ、私もそうです!」
はい!?
やばい、フラグ立てたか!
まさかの展開に俺は思わず立ち上がってしまう。
「ちょ、待ってくれ!俺がこのクラスと纏められるとでも・・・」
そうやって反論して、推薦を取り下げてもらおうとした。その時。
「納得いきませんわ!!」
ばむっ!と机を叩き立ち上がり、俺のセリフにかぶせてきた奴が一人。
そう、一夏と先ほど話していた女子。
セシリア・オルコットそのひとが立ち上がっていた。
そうだ、俺達にはまだこの人がいた。
あの喋りからプライドは高いんだろう。
いい感じに納得の出来る反論で、俺の推薦を取り上げてくれるはずだ。
そしてあんたが代表やってくれ!
「そのような選出は認められません!大体、男が代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリアオルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」
・・・・・・。
「実力から行けば私がクラス代表になるのが当然!それを、物珍しいという理由から極東の猿にされては困りますわ!」
・・・・あ?なんだとコイツ。
おいおい可笑しいな、俺の耳には猿って聞こえたぞ?
あれか、男なんてみんな腰振ることしか考えてない猿って思ってんのかお前は?
「ちょっ!拓夢君、落ち着いて落ち着いて!」
「ん?なんだ清香。俺がどうかしたか?」
「すごい顔しているよ!怖いって。その顔」
「そんな事無いだろう。だってほら、俺笑ってるじゃん?」
「目が笑ってないよ!」
清香がなんか言っているけどどうしたんだ?
俺はなにも可笑しくないぞ。怒ってなんかいないぞ。
そうさ、ここで切れたら面倒なことになる。
それにこのまま行けばあいつは自滅だ、態々俺が絡む必要も無い・・・。
だから落ち着け俺・・・・・ッ!!
「わたくしはこのような島国までIS技術の修練をしに来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ありませんわ!」
サーカス・・・?
おいそれどういう・・・・ッ!
「拓夢君、落ち着いて!」
「いいですか!?クラス代表は実力トップがなるべき!そしてそれはわたくしですわ!」
興奮冷めぬどころか、どんどんヒートアップしてまくし立てるオルコット。
コイツ、いつまでその口動かしてる気だ・・・・ッ
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で・・・」
そこまでで限界だった。
そしてそれは一夏も同じだろう。
立ち上がり口を開きかけていた。
だが、俺のほうが早かった。
ダァンッ!!
「「・・・ッ!?」」
俺が力任せに、拳を机に叩きつけた事で、どでかい音が響く。
それは今まで煩く捲くし立てていたオルコットの口を塞いだだけでなく、教室から音を消す。
「・・・黙れよ」
正直、こんなに低い声がでるとは思わなかった。
そして今の俺は、そうとう酷い顔をしているに違いない。
その証拠に、清香が怯んだのが視界の端に写る。
だが、止めることだけはできなかった。
「お前、何様のつもりだ?おいオルコット、お前だよ。力が無い?猿?物珍しい?・・・まぁ、俺のことを悪く言うだけなら我慢できたんだけどよ」
「な、何を・・・・」
元々俺は感情的な人間だったようだ。
前世でいろいろあって、感情の起伏が乏しくなっていたが。この世界で色々なことに触れて、それが元に戻っていた。
だからこそ、俺はこの感情を抑えきれない。
「お前が、どこでどんな生きたをして、何を考えてるかなんてどうでもいい。だがよ、どんな権利があって、お前は俺の世界を罵倒してんだ?」
怒りが極限に達すると、怒鳴る所では無くなると聴いたことがあるが。俺はどうやら冷静になるタイプのようだ。
一夏も、箒も、千冬さんも、清香も、山田先生も、夜竹さんも、鏡さんもみんな、俺の言葉を邪魔しようとはしなかった。
「お前分かってないだろ、自分が何を言ったのか。代表候補生?エリート?はっ、笑わせんな。自分の立場も分かってねぇ餓鬼の癖に、偉そうにしゃべってんじゃねぇよ」
「あ、あなた!私のことを何も知らないくせに何を・・・」
「お前も!!お前も俺と一夏の事、なにか知ってんのかよ?お前がバカにした日本を、そこで生きてる何万っつう人のことを何か知ってんのかよ!!」
だめだ、止まらない。
反論されるともうだめだ。
相手を完膚なきまでに叩きのめさないと気がすまない。
「知らないだろ!あ!?言ってみろよ!知らないですってなぁ!!」
「何も知らないくせに、何もわかってないくせに、俺の好きな世界を、人たちをバカにするんじゃねぇよ!」
「おいオルコット。お前がイギリスの候補生でもエリートでも関係ねえ。俺の好きな世界と、仲間を侮辱すんなら、俺は何があってもお前を許さない。どこに逃げてもぜったい追い詰めて、償わせてやるからな・・・。覚悟しろよ」
睨み付ける。
オルコットは、怒りなのか分からないが顔を真っ赤にしていた。
だが、俺もいいたいことは言った。
あとはオルコットが何かしてきたら、やり返すだけだ。
国がバックにいようが関係ない。
こちとら、世界で二人だけの男性操縦者だ。
つかえるモンはなんでも使って、絶対許さない・・・。
「・・・・ったく、馬鹿者共が。織斑と相川が推薦、オルコットが自薦ということだから、後日代表を決める。授業を始めるぞ、準備しろ!」
「「・・・は、はい!」」
織斑先生の声で、静まり返っていた教室は息を吹き返したかのように動き出した。
俺も気持ちを切り替えなくちゃいけない。
あと、謝んなくちゃな。
「・・・清香」
「な、なに?」
「悪かった。怖がらせちまった」
「う、ううん。大丈夫!拓夢君が怒ったの、なんでか分かったから・・・」
「そうか。ありがとな」
「・・・うん」
なんだか、そのやり取りだけで心がすこし軽くなった気がした。
・・・決めた。
今日からISの訓練をちゃんとこなす。
オルコットに負けないように、力をつけなきゃいけないんだ。
決意を新たに、俺は授業に取り組むためにノートを広げてシャーペンを手にとった・・・・。
後書き
いやぁ、切れましたね拓夢。
私としては、小説の中でセシリアのあのシーンだけはどうしても好きじゃないんですね。
彼女が気持ちを改めるためにも、一夏と絡ませるためにも、ああいった演出は必要なのだと思いますが、それでは納得できない部分もあると思うのですよ。
拓夢の行動は、物語の中に私がいたらどうしていたかっていうのを考えて起こしてます。
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