イベリス
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第二十六話 部活ではその二
「行けばいいわよ」
「そうなのね」
「バイト代もいいでしょ」
「そうなのよね」
咲はお金のことも話した。
「これが」
「じゃあいいでしょ、どんどん働いてね」
「どんどん稼いで」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「頑張っていけばいいのよ」
「そうなのね」
「それでね」
「稼いだお金で、よね」
「漫画とか買えばいいのよ、漫画とか読んでもね」
そうしてもとだ、同級生は咲にさらに話した。
「ためになるから」
「それはね」
「漫画でも小説でも読んでると勉強になるでしょ」
「そうそう、何かとね」
「だからね」
「漫画を買って読んでもいいわね」
「そう思うわ、漫画を馬鹿にするな」
同級生はこうも言った。
「そこには多くの宝があるのよ」
「宝ね」
「小説もね」
「ライトノベルもよね」
「勿論よ、何もかいかというと」
「違うわね」
「何もないどころか宝箱よ」
漫画や小説はというのだ。
「読めば読む程いいのよ」
「そうそう、漫画って下手な思想の本より凄い場合あるわね」
「哲学書とか思想書読まなくても死なないでしょ」
特にというのだ。
「そうでしょ」
「それはそうね」
「けれど漫画を読まないとね」
「生きられないわよね」
「何を言ってるかわからない文章読むよりも」
それよりもというのだ。
「わかりやすい漫画を読むべきでしょ」
「文章でも小説よね」
「それも妙にわからない文章の小説よりも」
「わかりやすい文章の方がね」
「いいのよ」
その方がというのだ。
「わかりにくいものって実は中身がないのよ」
「ああ、その実は」
「そう、あれこれ書いていても」
「難しいことを」
「それでもね」
その実はというのだ。
「大事なことは書いていないの、昔お祖父ちゃんに言われたの」
「そうだったの」
「お祖父ちゃん区役所で働いていたけれど大学でね」
通っていたそこでというのだ。
「教授さんにそう言われて自分でもね」
「難しい本を読んでみたのね」
「それでわかったみたいよ」
「難しい本は実は中身がない」
「ほら、難しい文章読めたら自分は頭いいって思えるでしょ」
「あっ、確かに」
咲もその通りと頷いた。
「そう思うわね」
「けれどその実はね」
「違うのね」
「そう、それは錯覚なのよ」
「頭がいいって思うだけで」
「自分がね、そしてそんな文章書けるこの作家凄いって」
その様にというのだ。
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