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地味な義姉は

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第一章

                地味な義姉は
 如月昭子は所謂ギャルである、通っている高校でもその整った顔立ちとかなり派手なメイクとヘアスタイルそれにファッションで知られている。
 金髪にした髪の毛を伸ばし右のところを括っていてヘアピンやアクセサリーでいつも飾っている。ぱっちりとした目にアイシャドーを入れて眉も整えている。小さな唇に紅のルージュを縫って肌を白くしている。白い肌と長いすらりとした脚で胸もある。背は一六〇程でスカートはいつも短くしてハイソックスやストッキングで飾りスカートはいつもかなり短くして半ズボンも好きだ。ブラウスやシャツも着崩してブレスレットやネックレスも忘れない。
 家でもそうで母の未可子によく言われている。
「勉強もここまでしてくれたら」
「志望の大学の学部には行ける位よ」
「模試の査定Aだっていうのね」
「だからいいでしょ」
「ええ、けれどね」
 マニキュアを塗る娘に言った。
「よくそんなにね」
「ファッションにっていうのね」
「夢中になれるわね」
「お母さんが地味過ぎるのよ」
 昭子はノーメイクで皺の多い顔の母に言った。見れば服装も地味だ。
「整えたらお母さんだってね」
「よくなるのね」
「そう、そんなメイクしないでぼさぼさ髪で」 
 本当に何もしていない母に言った。
「いつもズボンとセーターとか」
「火事ばかりだからね、あとパートと」
「それでも色気なさ過ぎるわよ、まだ四十七でしょ」
「もう四十七よ」
「最近五十でも奇麗な人いるから」 
 メイク等をしてというのだ。
「美魔女って言う人がね」
「お母さんもそうなれっていうの」
「そうよ、義姉さんもよ」 
 今度は兄と結婚して同居している穂香に言った、見れば黒髪をただ伸ばしていてかなり度のある眼鏡をかけていて上下共に黒いジャージだ、メイクもしていない。
「地味過ぎない?」
「そうかしら」
「義姉さん二十五でしょ」
「お肌の曲がり角ね」
「まだ二十五よ、だからね」
「奇麗にしないと駄目かしら」
「ええ、幾ら何でもね」
 その穂香にさらに言った。
「地味過ぎるから」
「それでなの」
「そう、だからメイクしてヘアスタイルも整えて」
 そうしてというのだ。
「ファッションもね」
「昭子ちゃんみたいになのね」
「したらいいのよ」
「私そうしたことはあまり」
 穂香は少し苦笑いになって答えた。
「好きじゃないし」
「それじゃああれよ」
「あれっていうと」
「月見草どころかね」
「野村さんね」
「楽天ファンだから言うけれど」
 野村克也が楽天の監督だった頃があるからだというのだ。
「月見草は奇麗だからいいのよ」
「富士山にも似合うし」
「太宰治ね」
「いいのね」
「ええ、けれどね」
 それでもというのだ。
「今の義姉さん、お母さんも」
「月見草どころか」
「サボテンよ、サボテンはね」
 この植物はというと。 
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