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イベリス

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第二十五話 アルバイトもしてその十四

「それでよ」
「どのお家でも言うのね」
「うちの子が一番だってね」
「言うのね」
「だからね」
「うちではモコがそう言って」
「他のお家ではなのね」
 咲もわかって頷いた。
「それぞれ言うのね」
「そうなのよ、身内贔屓ね」
「要するにそれね」
「だからうちではモコをこう言って」
「他のお家でもそれぞれの子に言うのね、けれどね」
 それでもとだ、咲は言った。
「やっぱりうちだとね」
「モコがでしょ」
「一番よ」
 咲は笑って言い切った。
「私としてはこんないい娘他にいないわよ」
「お母さんもそう思うわ」
「そうよね」
「本当にね」
 まさにとだ、母は応えた。
「モコは一番いい娘よ」
「私達の中ではね」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「これからも可愛がっていくわよ」
「そうしないとね」
「いけないしね」
「最後までね」
「そうよ、モコはずっとね」
「私達の家族ね」
「長生きしてね」
 母もモコに声をかけた。
「ずっとね」
「ワンワン」
「頷いてくれたみたいね」
 母はモコの今の声を聞いてまた笑顔になった。
「どうも」
「そうね、そんな感じね」104
 咲もそれはと頷いた。
「見てたら」
「そうでしょ」
「今は二歳だから」
「あと十年は普通にね」
「生きてくれるのよね」
「トイプードルはね」
 この種類の犬はというのだ。
「そうよ」
「あと十年ね」
「勿論大事にしたらね」
「もっと長生きするわね」
「最近飼い犬も長生きするから」
 だからだというのだ。
「それでね」
「十二年以上なのね」
「生きることもあるから」 
 だからだというのだ。
「だから大事にね」
「していくことね」
「沢山食べて飲んでもらってね」
「お散歩もよね」
「それでブラッシングもね」
 これもというのだ。
「していってね」
「健康で清潔な生活ね」
「そうした生活を送られる様にしていけばね」
 それでというのだ。
「十二年以上にね」
「それじゃあ二十年以上も」
「ひょっとしたらね」
「そうなのね、じゃあ大事にしていきましょう」
「家族全員でね」
 母は笑顔で応えた、そしてだった。
 夕食の後でモコと遊んだ、モコはケージから出ると彼女と明るく元気に遊んだ。咲はその彼女と一緒にいてまた笑顔になった。


第二十五話   完


                  2021・8・1 
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