恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百九話 張三姉妹、呼ばれるのことその十一
「私の術を見せましょう」
「風だな」
左慈が言う。
「あんたのその術を使ってか」
「ああ、今回はな」
「私達もね」
「思いきり楽しませてもらうよ」
社にだ。シェルミー、クリスまで出て来て言う。
「その私達の力を使ってです」
「ここに来る連中を一人残らずな」
「倒すわ」
「そうするよ」
これがオロチ一族四天王の決定だった。
「私はです」
ゲーニッツの目が蛇のものになる。その青い不気味な目になりだ。
彼はだ。こう言うのだった。
「あちらの世界もこちらの世界も嫌いではありません」
「楽しんでいますね」
「はい、そうです」
まさにそうだとだ。ゲーニッツは左慈に答える。
「これでも楽しむ性格です」
「そうですね。貴方はそうした方ですね」
「オロチは何かを楽しむものです」
自分達のそうした性質についても話すのだった。
「それが戦いであってもです」
「楽しみそうしてですね」
「目的を達成するものです」
「俺もあれだぜ」
社も言う。
「旅は楽しんでだな」
「その旅で私達を見つけてきたのよね」
「それが目的だったしね」
シェルミーとクリスは笑って社に応える。
「けれどその旅行もね」
「楽しんでいたよね、社は」
「俺達は確かに普通の人間じゃないさ」
それは違うことはだ。自覚している。
しかしだ。それでもだと社は話すのだ。
「けれどな。半分は人間だからな」
「半分はですか」
「あれだぜ。半分は人間で半分はってやつさ」
「楽しむところは人間ですね」
笑ってだ。于吉は話す。
「そういうことですね」
「それだよ。オロチは楽しむからな」
「もっとも。山崎はね」
「僕達には絶対につかないけれど」
「まあ一人位はああいう奴もいるさ」
社は彼についてはこれで終わらせる。
「それでも俺達は大抵そうさ」
「生きることは楽しんでか」
「そこはちゃんと言うぜ」
こんな話もする彼だった。そんな話をしてだ。
彼等はだ。赤壁での戦のことをだ。楽しみにしていた。
闇の者達も動いていた。そうしてだった。戦いの用意はだ。少しずつ進められていっていた。お互いに。
第百九話 完
2011・9・12
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