恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百九話 張三姉妹、呼ばれるのことその六
「ヘビメタがね」
「どんな音楽なの、それって」
「ええと、楽器はここの世界にないわね」
それは仕方なかった。時代も国も違うからだ。
「だからアレンジはするけれど」
「けれど舞ちゃんも歌うの」
「よかったらね」
あくまで許可を得ればだというのだ。
「歌っていいかしら」
「もうこうなったら徹底的に楽しくしない?」
今度は劉備がだった。笑顔で提案する。
「皆で歌い合って」
「そうですね。折角ですし」
「出陣の前の余興として」
それでだとだ。孔明と鳳統も乗ってだ。
そうしてだった。話は決まったのだった。
三姉妹の到着と合わせて歌の大会が開かれることが決まった。それを聞いてだ。
まずはしゃいだのはだ。やはり郭嘉だった。
話を聞いていきなりだ。妄想を爆発させた。
「ああ美羽様いけません」
「またなのね」
「妄想状態に突入ね」
そんな彼女を見ていささか唖然として言う曹仁と曹洪だった。
「私は華琳様の忠実な家臣。ですから」
「いや、目が喜んでるし」
「顔は真っ赤だし」
実際にだ。手は拒むふりをしているが顔は笑みである。
その笑顔でだ。郭嘉は続ける。
「せめて接吻で許して下さい。その頬の」
「もうやってるじゃない」
「酔ってね」
「他にももう感性で袁術殿が何を言うかわかるとか」
「何処まで仲がいいのよ」
「それに七乃殿、人がいますので」
郭嘉は彼女とも仲がいいのだ。
「そこまで積極的になられると困ります」
「だから中身出し過ぎよ」
「何処まで出てるのよ」
「華琳様お許し下さい、私はいけない家臣です」
「見ているだけで面白いからいいけれどね」
当の曹操もいるが彼女は至って冷静である。
むしろそんな郭嘉を見て楽しみながらだ。こう言うのだった。
「歌の大会ね。面白そうね」
「では華琳様もですね」
「参加されますね」
「そのつもりよ。それでだけれど」
ここでだ。曹操はさらに話す。
「あちらの世界の面々も歌える者が多いわよね」
「んっ、呼んだか?」
ここでだ。不意にだ。丈が出て来た。
それでだ。嬉しそうに曹操達に言うのだった。
「俺も歌えるぜ」
「東殿の好きな音楽ですが」
「何なのでしょうか」
曹仁と曹洪はその丈に尋ねた。
「あちらの世界の音楽ですね」
「どういった音楽でしょうか」
「貴方はあの華陀と声が似ているけれど」
さりげなくこんなことも言う曹操だった。
「華陀も歌えたわよね」
「ああ、確かな」
「じゃあ貴方も歌えるわよね」
「俺は演歌だ」
自信満々にだ。丈は言った。
「演歌が好きなんだよ」
「演歌って?」
「ああ、こんな感じなんだよ」
ここで実際にだ。丈は拳を入れて身振りまで入れて熱唄する。それを聞いてだ。
曹操もだ。納得した顔で言うのだった。
「結構いい感じね」
「ああ、気に入ってくれたか」
「というか貴方結構歌上手いわね」
「はい、確かに」
真面目に戻った郭嘉も頷いて言う。
ページ上へ戻る