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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百九話 張三姉妹、呼ばれるのことその五

「くるものがあるし」
「そういうことよ。私だってナコルルやキングさんと似てるって言われるしね」
 それは舞もであった。彼女自身もなのだ。
「だからよ。終わらせてね」
「そうするのがいいわ」
 張宝も頷く。
「それじゃあ」
「来てくれるかしら」
「だから劉備さんの御願いなら」
「喜んでよ」
「都に行かせてもらうわ」
 三姉妹の返答は決まっていた。こうしてだった。
 彼女達は下喜達を連れて洛陽に向かうことにした。舞は彼女達より前に都に戻る。そうしてすぐに劉備に対して報告したのだった。
 その報告を聞いてだ。劉備は笑顔で言った。
「よかったわ。それじゃあね」
「舞台の用意ね」
「うん、その用意しよう」
 笑顔でこう言うのである。
「早速ね」
「はい、では今からすぐに」
「舞台の用意をはじめます」
 劉備の左右に控える孔明と鳳統が言う。
「張三姉妹の人達だけでなく」
「他の人達も歌えるものを」
「じゃあ袁術ちゃん達よね」
 劉備はすぐに彼女の名前を出した。
「あの娘達が」
「はい、郭嘉さんと張勲さんもです」
「あの方々にも」
「あの娘達歌凄く上手だから」
「郭嘉さんなんかもう歌手でも大成功間違いなしだと思います」
「張勲さんの本気は最強です」
 彼女達の歌にも定評があるのだ。
「袁術さんは音に慣れるまでに少し時間がかかりますが」
「あの人も」
 とにかくだ。三人の歌唱力はかなりのものだ。
 それでだ。この三人もだというのだ。
「ちょっと。袁術さんと張勲さんが郭嘉さん取り合ってますけれど」
「郭嘉さんは袁術さんが大好きですし」
「関係がかなり妖しいですけれど」
「それが楽しいですけれど心配にもなります」
「何か薄い絵本が出てるっていうけれど」
 劉備は三人についての噂を口にした。
「陸遜ちゃんが凄く嬉しそうに読んで集めてるのは」
「はい、本当です」
「陸遜さんが御自身でも描いておられます」
 そうしたこともしているというのだ。陸遜は。
「私達も楽しませてもらってます」
「最高の書です」
「どうした書なのかしら」
 劉備はその薄い書については全く知らない。それで目をしばたかせながら言うのだった。
「気になるけれど」
「あっ、それはですね」
「また今度のお話ということで」
 軍師二人は失態に気付いて慌てて取り繕った。
「とにかくですね。他にもです」
「歌える人はいますし」
「多いのね。歌える人」
「呂蒙さんも歌えますよ」
「あの人もかなり」
「他にも夏侯惇さんと夏侯淵さんも」
 この姉妹もだった。
「孫策さんと孫権さんもお見事ですし」
「曹操さんもですね」
「歌える娘って多いのね」
 劉備もこのことを認識することになった。
「ううん、意外っていうか」
「そうですね。私達もですね」
「歌えますし」
 孔明と鳳統もだった。
「五虎の方もですし」
「ああ、大喬さんに小喬さんもですね」
「周泰さんもですし」
「呉の方々も」
「冥琳ちゃんもだったわよね」
 劉備は彼女の真名を出しながら話した。
「何かもう大会出来る位に多いわよね」
「あちらの世界にもおられると思いますし」
「それではですね」
 二人はここで閃いた。
「いっそのこと大会を開かれますか」
「歌の大会を」
「そうね。面白そうね」
 劉備もだ。それに乗ろうと思った。それでだ。
 舞にもだ。尋ねたのだった。
「舞ちゃんはどう思うかしら」
「私もね。面白い音楽知ってるわよ」
 舞も笑顔で劉備の言葉に応える。
「ヘビメタだけれどね」
「ヘビメタ?」
「そう、それが好きなのよ」
 笑顔で自分の音楽の趣味を話す彼女だった。
 
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