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イベリス

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第二十五話 アルバイトもしてその五

「そうさせてもらいました」
「店長さんの占い当たるから」
「何か百パーセントとか」
「そうよ、日本でも屈指のタロット占い師だけあってね」
「当たるんですね」
「確実にね」
 そうだというのだ。
「当たるのよ」
「そうですか」
「ただね」
「ただ?」
「店長さんが言っておられるでしょ」
 その速水自身がというのだ。
「占いは道標」
「未来じゃないですね」
「予言じゃないのよ」
「未来に何が起こるかで」
「いいものならそうなる様にして」
「悪いものなら避けられる様にする」
「そうしたものよ」
 それが占いだというのだ。
「だからね」
「悪い結果が出ても」
「それでもよ」
「残念に思わないで」
「そうならない様にすればいいのよ」
「どちらにしてもいい様になることですね」
「それが占いよ、だからね」 
 そうしたものだからだというのだ。
「店長さんは占い師であってね」
「予言者じゃないですね」
「そして悪い結果が出てもね」
「未来は決まっていないですね」
「例えばテストの結果を占って」
 そしてというのだ。
「悪い結果が出たらどうするか」
「そうならない様に勉強すればいいですね」
「そうよ、例え授業が下手な先生でも」
 こうした教師は何処でも存在する、中には黒板に書いていきそして生徒に語るのではなく自己満足で喋っているだけの教師もいる。生徒に語らずして自分で喋っているだけの授業がどうして生徒に理解されようか。
「最低でも赤点にはならない様にしないとね」
「厄介ですよね」
「そうした先生の科目でも赤点を避ける為には」
「ちゃんと勉強しないと駄目ですね」
「それで占いで悪い結果が出ても」
「それにがっくりとこないで」
「勉強すればいいのよ」
 それが解決方法だというのだ。
「それだけよ」
「簡単なことなんですね」
「至ってね」
 その通りというのだった。
「それが占いで店長さんのタロットも」
「そうしたものですね」
「当たるけれどね」
「道標ですね」
「だから店長さんはその結果にどう進むかどう避けるかを言われるのよ」
「それでよくなるので」
 占われた人がだ。
「店長さんの占いは当たるんですね」
「そういうことよ」
「そうなんですね」
「ええ、それとね」
「それと?」
「私彼氏いるけれど」
 大学性は咲に笑ってこうも言った。
「店長さんいけてるでしょ」
「美形ですよね」
 正直にだ、咲も述べた。
「それもかなり」
「そうでしょ」
「背も高くてすらりとしていて」
「黒い髪の毛も奇麗でね」
「スーツも似合っていて」
「かなりでしょ」
「はい」
 その通りとだ、咲は答えた。 
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