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レーヴァティン

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第二百二十二話 採られない戦術その七

「そのうえで話してな」
「そしてでござるな」
「出来ればそこでな」
「決めるでござるな」
「ああ、是非な」
 これからの会談でというのだ。
「連合王国の王様そして連合王国をな」
「帝国に迎え入れる」
「そうするな、若しな」
「ここで話が決裂すれば」
「戦になってもな」
 それでもというのだ。
「やっぱりな」
「迎え入れるでござるか」
「ああ」
 そうするというのだ。
「いい人材だからな」
「それで、ござるな」
「スコットランド王としてな」
 その立場でというのだ。
「この国を治めてもらうな」
「そうするでござるな」
「帝国のシステムも取り入れさせてな」
 統治や技術のそれをというのだ。
「そうしてもらうな、あとどの地域でもそうだが」
「信仰と文化については」
「そのままだ、悪習はなくすけれどな」
「不潔なものや生贄等は」
「そうしたものはなくすがな」
「文化はそのままでござるな」
「そうするな、じゃあな」
 これよりというのだった。
「スコットランド王とな」
「話すでござるな」
「そうするな」
 こう言ってだった、久志は連合王国の王彼が言うにはスコットランドの王である彼と話した。それで一人で城の橋の上に行くと。
 そこに茶色の髪の毛を短くした青い目で痩せた長身の見事な色彩豊かな服と青いマントを羽織った青年が来た。
 青年は久志の前に来ると確かな声で言ってきた。
「私が連合王国の王トマス=オーウェンです」
「帝国皇帝有栖川久志だ」
 久志も名乗った。
「宜しくな」
「お話は聞いています、よく来て頂きました」
 王は久志に若々しい中に威厳もある声で応えた。
「それではです」
「これよりだな」
「お話をさせて下さい」
「俺の申し出受けてくれて嬉しいぜ」
「そう言って頂けますか」
「ああ、じゃあ今からな」
「間もなく席が用意されます」
 見れば城から出て来た従者達が卓や椅子を用意している、椅子は二つだ。
「では」
「これからな」
「はい、お互いにです」
「話そうな」
「そうしましょう」
 こう話してだった。
 二人で向かい合って座ってだった、そのうえで話に入った。ここで。
 久志は王に笑顔で言った。
「これまでのあんたは見せてもらったぜ」
「私の資質と人格をですか」
「両方な、見事なものだ」
「すぐに逃げるとは思われないですか」
「逃げるのも戦のうちだろ」
 自分のことを言う王にこう返した。
「それも、だからな」
「ロンドンやリバプールで逃げてきたことは」
「戦略として正しい」
 そうだというのだ。
「それにこのエディンバラで戦うつもりだっただろ」
「はい」
 その通りという返事だった。 
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