イベリス
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第二十一話 勉学もその一
第二十一話 勉学も
咲は予習復習も欠かしていなかった、それで部活や部活の後で予習復習をしていたが朝に母にこんなことを言った。
「難しいわね、お勉強」
「高校の?」
「特に数学が」
この科目がというのだ。
「どうもね」
「あんた昔から数学が一番駄目よね」
「文系は得意だけれど」
それでもというのだ。
「どうもね、理系はね」
「苦手よね」
「生物や化学はどうにかなっても」
「数学はよね」
「そうなの、どうもね」
「けれど平均はいつもいってるでしょ」
「偏差値は五十いってるわ」
母にトーストを食べつつ答えた。
「それはね」
「だとね」
「いいの」
「まだいいでしょ」
これが母の返事だった。
「苦手でもね」
「いや、けれどね」
「それでもなの」
「私はもっと。国公立も出来ればって考えてるし」
大学のことも言うのだった。
「だからね」
「理系もなのね」
「勉強して」
そうしてというのだ。
「成績もね」
「今以上に上げたいのね」
「数学もね、さもないと」
「国公立は入試五科目だから」
「文系の英語と国語と社会に加えて」
大きく分けてこの三つにというのだ。
「数学と理科もでしょ」
「だから数学もなのね」
「もっと偏差値上げたいの」
「だから頑張ってるの」
「ええ、けれどね」
咲は牛乳を飲みつつ難しい顔で述べた。
「どうもね」
「難しいのね」
「どうしたものかしら」
「とはいってもお母さん文系よ」
母は難しい顔で答えた、父は既に出勤している。今日は朝早くから仕事なので自分だけ朝ご飯を昨日のご飯のお茶漬けを食べて済ませて家を出たのだ。
「だからね」
「数学はなのね」
「確かに大学出てるわよ」
「それでもなのね」
「私立の文系だったから」
合格して卒業した大学はというのだ。
「だからね」
「数学にはアドバイス出来ないのね」
「中学までなら出来るけれど」
それまでの数学はというのだ。
「わからないところもね」
「中学の数学までだったら」
「教えられるけれど」
「高校になったら」
「無理よ。塾行く」
母はここで咲に提案した。
「小学校や中学の時みたいに」
「部活とアルバイトあるから」
それでとだ、咲は母に難しい顔で答えた。
「だからね」
「塾までは時間ないのね」
「ちょっとね。それに問題なのは数学だけだから」
「他の教科はいいわね」
「今も大体わかるわ、文系は全部ね」
英語、国語、社会の系統はというのだ。
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