八条学園騒動記
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第六百二十九話 草原の観光その二
「力入れてないの」
「何か連合の国とは思えないわね」
「昔ながらの遊牧のままで、でしょ」
「ええ、連合はね」
コゼットは自分達の国の話をした。
「やっぱり定住して」
「そのうえでね」
「その場でお仕事を頑張って」
「お金稼ぐわね」
「働いてお金を儲ける」
この言葉を強い声で出した。
「まさにね」
「それが連合よね」
「そして産業も」
これもというのだ。
「国家全体でね」
「盛んにしてね」
「お金を儲ける」
「国家もね」
「そうする国で」
「勿論観光もね」
「もうどの国も」
それこそというのだ。
「必死にね」
「力を入れてね」
「お金稼ぐわ」
「まさにそれが連合ね」
「けれどモンゴルはなのね」
「そうしたことはしないで」
それでとだ、ナンは答えた。
「街や村はあっても」
「多くの人が遊牧民で」
「昔ながらのその生活でね」
「遊牧が産業ね」
「自給自足で」
「農業もなのね」
「あまり力を入れていないの」
この時代でも国家の基礎と言われるこの産業もというのだ、やはり農業失くして文明は存在しないのだ。
「どうもね」
「そうなのね」
「街や村にいる人は全体の三分の一かしら」
モンゴルの総人口のというのだ。
「大体ね」
「少ないわね」
「いや、昔は街自体がなかったから」
モンゴルはというのだ。
「村もね」
「ああ、皆遊牧民だから」
「だからね」
その為にというのだ。
「街や村なんてね」
「全くなかったのね」
「世界帝国になって」
モンゴル帝国を築いてだ。
「それでね」
「ようやくなの」
「そう、定住を知ったけれどそれでも」
「基本はなのね」
「遊牧で」
それでというのだ。
「草原に戻ったら」
「またなのね」
「その生活に戻ったから」
「だからなのね」
「今だってね」
「そうした生活なのね」
「何度も言うけれどのんびりした国なの」
モンゴルはというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「そうしたことにはね」
「発展については」
「焦ってないの」
「のどかなのね」
「大事なのは生きていくことで」
このことでというのだ。
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