イベリス
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第十九話 両親と姪の会話その九
「そうなってしまうんだ」
「それも怖いわね」
「そうなりたくないな、咲も」
「何時死ぬかわからないけれど」
それでもとだ、咲も答えた。
「やっぱり死んだらね」
「火葬だからな、日本は」
「そうよね」
ただし田舎ではまだ土葬の場合もある、このケースはかなり減っているがそれでもだ。
「死ぬとね」
「火葬になってな」
「骨をお墓に入れてもらうわね」
「しかし覚醒剤をやってな」
「骨もボロボロになっていたら」
「灰しか残らないからな」
それ故にというのだ。
「灰でもお墓には入れてもらえるんだが」
「骨かっていうと」
「また違うんだ」
「それはね」
「だからそうなりたくなかったら」
「覚醒剤はしない」
「絶対にだ、何度も言うが覚醒剤をやっていいことはないんだ」
一つとしてというのだ。
「だからな」
「私もしたら駄目ね」
「絶対にな、ドラッグはな」
「やったら犯罪で」
「お金もかかってお金はヤクザ屋さんに流れてだ」
「身体も心もボロボロになるから」
「いいことは絶対にない」
何一つとしてというのだ。
「だからするな」
「何があっても」
「そうだ」
娘に強い声で告げた。
「いいな」
「そうするわね」
「私も咲ちゃんに言ったけれど」
愛も言ってきた。
「ドラッグはね」
「しないな」
「したら本当の意味で終わりじゃない」
法律的にも倫理的にも身体や心のことでもというのだ。
「逆に何でするのかしら」
「気持ちいいっていうけれど」
咲は従姉に応えた。
「そうね」
「気持ちいい?それだけでってね」
「やるものじゃないわね」
「そう思うわ、馬鹿よ」
こう従妹に返した。
「これ以上はない位にね」
「私もそう思うわ、だからね」
「私達は二人共ね」
「ドラッグは何があってもしない」
「そうしましょう」
「ええ。あと私ギャンブルとか貢ぎもしないし」
「あっ、貢いだらね」
愛はこの話にも言及した。
「お金幾らあっても足りないわよ」
「ホストの人とかね」
「それで駄目になる人もいるから」
「女優の娘さんとか」
「あれはないわ」
愛は眉を曇らせて言った。
「ホストクラブは。私は行かないにしても」
「お酒好きでもよね」
「ああした場所で飲んでどう面白いのか」
首を傾げさせつつ述べた。
「私わからないのよ」
「私も。ちょっとね」
咲も言った。
「ああしたことはね」
「わからないわね」
「面白いの?」
「さあ」
愛は従妹に首を傾げさせて応えた。
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