レーヴァティン
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第二百十八話 上陸作戦その四
「ですが」
「それでもだよな」
「国王自らです」
「戦うと言ってるな」
「はい」
「ロンドンに籠城してか」
久志も言った。
「そうしているか」
「最後の一兵までとです」
「言っていてか」
「戦うつもりの様です」
「成程な、けれどな」
「それはですね」
「変わるかも知れないな」
国王のその言葉もというのだ。
「次第にな」
「戦局が変わるにつれて」
「それも狙うか」
「そうしますか」
「それでやることはな」
久志はさらに言った。
「ロンドンが幹だよ」
「幹を切るのなら」
「枝を先に切るよな」
「はい」
その通りだとだ、源三も答えた。だが彼はそれだけでなく久志に自分から笑って話をしたのだった。
「ではロンドン周辺の街や村に」
「使者を送ってな」
「そうして降していきましょう」
「そうしていってな」
「ロンドンを孤立させますね」
「ああ、そしてな」
そのうえでというのだ。
「そのうえで攻めるな」
「そうしますね、では」
「ああ、ロンドン攻めの前にな」
「その周りから攻め落としていく」
「どんな堅城も孤立させたら終わりだ」
久志は強い声で言った。
「ロンドンはどうもその堅城らしいな」
「うん、調べたらね」
そうしたらとだ、淳二が言ってきた。
「ロンドンはね」
「かなりの堅固さだな」
「城壁は高くて術への結界もかなりで」
「堀も広くて深いな」
「間違いなく堅城だよ」
「そうだな、だったらな」
「そのまま攻めるよりもね」
「孤立させるべきだ」
最初はというのだ。
「そうしてだ」
「攻めるね」
「どうせあっちの王様もその堅固さと周りがあってな」
「籠城を決め込んでいるね」
「だったらな」
「孤立させるね」
「それで敵兵もな」
彼等もというのだ。
「ロンドンにいる連中をな」
「切り崩していくね」
「ああ、その為の金だ」
久志は笑って言った。
「それを使ってな」
「傭兵はこっちが雇うね」
「そうしてな」
それでというのだ。
「敵の傭兵もな、あと金でなびきそうな連中もな」
「お金でだね」
「金で済めばいいさ」
それでとだ、久志は笑って言った。
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