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最高のラビリンス

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第二章

「全くね」
「わからないでしょ」
「ええ、物凄いわね」
「東京駅はこうでね」
 雪月は紅美にさらに話した。
「もう迂闊に歩いたら」
「迷うわね」
「確実にね」
 そうなるというのだ。
「これはね」
「そう、東京駅は慣れないとね」
「迷うのね」
「物凄い迷路でしょ」
「大きな駅なのは知っていたけれど」
 それでもとだ、紅美は手にしている地図と目の前の東京駅の案内地図を必死の顔で交互に観ながら話した。
「けれど」
「それでもでしょ」
「こんなに複雑なんて」
「物凄いでしょ」
「これは大迷宮だわ」  
 紅美は思い知った様に言った。
「まさにね」
「そうでしょ」
「そう、そしてね」
 雪月は紅美にさらに話した。
「もう一つ凄いものがあるのよ」
「駅だけじゃないの」
「そう、そこに行く?」
「まだ凄い迷路があるの」
「そうなの、東京にはね」
「もうどんなところかわからないわ」
 紅美は最早こう言うしかなかった。
「この東京駅でもなのに」
「この東京駅もその一部だから」
「えっ、ここでも一部なの」
「そう、言ってみる?」
「それじゃあ」 
 一体どういった場所か興味を持った、それでだった。
 紅美は雪月について行った、そこは東京駅の地下鉄の駅であったが。
 その路線を見てだった、紅美は愕然となった。
「なっ・・・・・・」
「凄いでしょ」
「これは」
 唖然としたまま雪月に応えた。
「もうね」
「何が何だか」
「わからない位でしょ」
「これ本当に大迷宮よ」
「目的の駅に辿り着こうと思ったらね」
「どうやって行けばいいか」
 それこそというのだ。
「わからない位よ」
「これが東京の地下鉄なのよ」
「東京駅もこんなので」
「地下鉄はこうなってるの」
「物凄いわね」
「そうでしょ、もう下手な建物とかテーマパークの鏡の迷路とかね」
「めじゃないわね、ゲームでもね」
 そちらでもというのだ。
「ここまではね」
「そうはないわよね」
「とてもね。これはないわ」
「私も去年東京に来てね」
 それでとだ、雪月は紅美に話した。
「驚いたのよ」
「これは驚くわ」
「それも道理でしょ」
「ええ、物凄いわ」
「これから迷わない様にして戻るけれどね」
 静岡に行く路線にというのだ。
「気をつけて帰りましょう」
「そうしないとね」
「本当に道に迷うわよ」
「そうね、これがね」
 紅美は唖然としたまま述べた。
「現実にある大迷宮ね」
「そう、東京駅と東京の地下鉄よ」
「これはないわ」
「こんなところでお宝探しとかしたら」
 それこそとだ、雪月は真剣な顔で述べた。 
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