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言える顔か

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第三章

「こいついつもこう言うよな」
「ああ、テレビできしょいってな」
「顔や外見が気持ち悪いって」
「人の中身見ないでな」
「本当に気持ち悪いってしか言わないよな」
「何の根拠も出さずに」
「じゃあ自分はどうなんだ」
 ここでこの言葉が出て来た。
「人のこと言えるか?」
「人のこと言える顔か?」
「そう言うお前の顔こそきしょくないか?」
「その前に人にそう言えるお前何様だ」
「お前の中身の方がきしょいよ」
「最低だよ」
「あっ、書き込みきてますよ」
 ここで光はその書き込みを見て甲斐に言った。
「今」
「えっ、今って何や」
「だからこれライブ中継ですから」
 それでというのだ。
「皆コメントにです」
「書き込んでるんか」
「はい、ユーチューブだけじゃなくて」
 光は甲斐に笑って話した。
「ニコニコでもです」
「そんなん俺聞いてへんぞ」
「言いましたよ」
 光は事実から答えた。
「もうそれは」
「言うたか」
「ライブだって」
 その放送だと、というのだ。
「もう。それでコメントですが」
「何やこれ」 
 甲斐はその書き込みを見て驚いた。
「俺の顔のこととか書いてるやないか」
「はい、視聴者の人達が」
「おい、俺がきしょいって何や」
 甲斐は視聴者の書き込みに怒って言った。
「俺の何処がきしょいんや」
「自分が言うと怒るんだな」
「相手には平気で言ってな」
「人に偉そうに言える顔かよ」
「その顔で人の顔のこと言うなよ」
「お前の方がきしょいよ」
「お前の性格が一番きしょいよ」
 書き込みはさらに来た。
「不細工な顔は性格が出たんだな」
「私こんな奴彼氏だったら死ぬわ」
「いや、誰とも付き合えないだろこんな性格の悪い奴」
「こっちから願い下げだろ」
「顔も悪くて性格も悪いなんて最悪だな」
「いいところないな」
「本当に最悪だな」
 こうした書き込みが続いてだった。
 甲斐はその書き込みに顔を真っ赤にして言った、それも挑発する手振りまで入れた。
「書き込んだ奴しばくぞ、ちょっと来い」
「暴力発言来たーーーーーーっ!!」
「ゴロツキ!」
「ヤクザ乙!」
「通報しました」
 ここでまた書き込みが殺到した、そして光と共に出席している者達は甲斐に一斉に言った。
「あの、今の発言ですが」
「ライブで実況されてますよ」
「皆さん観ておられますよ」
「本当に今の発言危ないですよ」
「通報されてますよ」
「俺の何処が悪いんや、馬鹿にした奴しばいたるって言うてるんや」
 甲斐はまた言った。 
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