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妖精のサイヤ人

作者:貝殻
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第八話:もっと遥か高みの為に、帰宅するサイヤ人

 
前書き
 お久しぶりです。軽く二年間放置してすみませんでした。
 新しいゲームとかコロナとかゲームとかゲームとか、パソコンがない生活に慣れ始めてしまってすっかり購入を後回しにしていました。
 現在パソコンを新しく購入して今の話を描き終えた感じです。
 まだ投稿が遅かったり以前のような感じで書けるかわかりませんが、なるべく完結できるよう努力します。
 とりあえず20話しないうちに原作を開始させたり、途中でゼノバース編とか作ったり今作の戦闘力と事実をなるべく出せるようにしたいなぁ… 

 
転生特典に対して彼は種族とだけしか伝えてないため、容姿に対しては完全に頭から抜け出していた。
だから、初めて鏡に映る自分を見たとき驚愕の後に自分の運命を、未来を確信した。
おそらく、将来の自分は時空の秩序を守る機関に所属するだろう…と。
時空を超えて悪事働く者たちを懲らしめる、タイムパトロールになるだろうと。
相棒の名称男性下着ネタイケメンと共に働いていくんだろうな、と。

強くなる理由が自己満足以外に義務感が生まれた。
いつか孫悟空と全力全開の闘争(バトル)
サイヤ人の限界突破を。
そして時空の秩序のためにも。
願い球に宿る龍に呼ばれるその時までに、修行を続けたのだ。

―――Ⅹ782年、ネロ・ハバードが21歳。魔導士ギルドに所属したまま、龍に呼ばれず。
されど、彼の魔導士としての生活は、冒険は充実していた。

★★★★★★★

X771年。
クロッカス武道会会場の医療控室にて。

「…は?なん?え?」


クロッカス武道会の閉会式が終わった頃に、ネロは目を覚まして大会のスタッフから話を聞き、準優勝者として報酬に30万J(ジュエル)を受け取った後に決勝戦の相手であったラクサス・ドレアーとその祖父である小柄な老人がネロの居る休養室にやってきてある提案を持ち掛けた。
それを聞いたネロは思わず聞き返してまう。
金髪の少年は「ちゃんと聞け」と言ってからもう一度それを口にした。

「オレの所属するギルド―――妖精の尻尾(フェアリーテイル)に来いよ」

茜色の少年の目を真っすぐに見つめながらラクサスは再び勧誘の言葉を吐いた。
隣に佇む小さき老人は決勝戦で激闘を繰り広げたであろう二人の少年達の間に入らず、ただ傍観を続ける。

他者の視点からすれば強き者を自身の組織に勧誘する絵図になるのだが、ラクサスの祖父―――マカロフ・ドレアーからすればただの「友達(ダチ)になってくれ」と人付き合いが困難な孫が相手に歩み寄ろうとしているに過ぎない。


病弱でずっと家で過ごし、外に行くときは自分といる時しか行けなくてロクに友達も出来ず、そして何よりも家族以外に素直な態度ができなかった可愛い孫が今や成長しようとしている。
先の試合では魔導士としての実力が上がったラクサス。それだけじゃなく心までも成長していたことがマカロフにとってはよき展開が開いてきている。


勧誘されたネロはというと…

「え、えーと…フェアリー…テイル??ギルド…え?魔導士…ギルド…?のあれか??」

混乱の極みに沈み込んでいた。
10歳という年齢からまさかの会社の勧誘である。
前世社会の歯車を経験したことのある記憶を保有したネロからすればこの勧誘は「子供の内から働け」と言われているようなモノだった。
まだ自立する歳でも…とネロが考える所であることを思い出した。
ついでネロが妖精の尻尾(フェアリーテイル)が知っている理由は実況の男性がラクサスの紹介時に説明していたからなんとなく魔導士ギルドなのだな、と半端理解していた。

(そ、そういえば…この大陸ってポケモンの世界みてーに10歳から自立して村から出ていく子供も居やがったんだ…!!いやオレも旅をしているんだけれども)

この世界からすれば10歳の子供でも働けといっても違和感はないのかもれしれない、内心遠目しそうになりながらその結論に至る。


姉からも「10歳になるまではのを許しません」と前から止められていたのだが、まさかまだ自立する年齢になってなかったからという事実を今になってネロは過去の謎の一つ解明したのだった。

「?たりめーだろ。なんだ…入りたくねェのかお前(オメエ)…」

「いやそういうわけじゃ…ただまさか急に勧誘されると思わなくて」



「てめーは強え」

「!」

「オレより強えヤツは居る。けど同い年で同等なヤツなんざいなかった」

そして自分の態度の悪さでまともに友達になれる奴はいなかった。
口にしそうになるソレを抑えてラクサスは己の内を明かす。
一緒に高め合える(・・・・・)存在が居たという喚起と快気と歓喜を

「遇ってみたかったヤツに遇えたんだ。こんな機会、逃がしたくもねえ…そうだろ?」

「…!!」

何を伝えたいのか、ネロにはわかった――それは自身も望んでいたものだから。
互いに高め合い、闘い合える相手を。
好敵手(ライバル)との出会いを。
あの永遠のライバルというタイトルが決まる二人のような関係を…とは言わずとも、一緒に高め合えるような友との出会いが欲しかったのは事実。
今回の大会で闘って、そして今世で味わってきた刺激を上乗せするような感動をくれたであろう少年自身にそれを求められた事実が、ネロを震えさせた。
ラクサスは目の前にいるサイヤ人の黒い目を見つめながら、内心の想いを燃やして手を差し伸ばした。

「だから妖精の尻尾(フェアリーテイル)に来い。大陸中にギルドの名を広げて、んで今よりももっともっと強くなってよ――」

勧誘する度に身体を熱くなることを実感するラクサス。
決勝戦、全てを吐き出しながらそれでもなおラクサスはリング上の上で立っていた。
もっと、もっと、もっと!!
コイツと!!闘いたいと!!

そしてそれは、休養室用ベットの上で自分と同じボロボロになっているネロも同じだと踏んでいた。
何故ならば、一緒に拳と拳を、力と力と、自分と自分をぶつけあいながら、全てを出し合いながら笑っていたのだから。

差し伸ばしたガーゼと包帯で巻かれている手を、同じように傷だらけになりながらも、期待の輝きを灯した目をした茜色の少年を見つめてそれが正しかったとラクサスは笑みを浮かべた。

自分に伸ばされた手を、無意識に掴んたということに、ネロが自身で気づいたのは―――

 「オレと、もっと闘ろう(ヤろう)ぜ…!!」

湧き上がる興奮と共に、吐き出された再戦の言葉を聞いた後だった。



☆★☆★☆★☆


ギグリ・ムースは休養室に入らずにその場を後にした。
決勝戦で激闘を広げたであろう自身の目標になった少年のお見舞いをして、別れの言葉を言ってから旅立とうと考えていたが―――決勝戦で感じた想いがその行動より旅立つべきだと判断した。
最初に、何故強くなりたいと思ったのか。
何を目標にしていたのか。
それを思い出すのには、ギグリは時間がかかりすぎた。



【いつか…■■■に勝つからな…!】

そう自分の丸坊主と違い、純粋に禿ていた顔見知りに宣告した日。

【楽しみにしている】

自分よりも魔法の扱いがうまく、''岩の魔法''をを自由変幻に操るあの男を。

全てを無くす前の記憶。

今、自分たちと同じく、好敵手(ライバル)を持って高め合おうとしている少年たちが自分にとっては眩しすぎた。
しかし、その輝きが自身の原点を蘇らせてくれた。

「…某も、魔法を鍛えなおそうか」

大陸を旅している間、小さくとも聞くあの男の名を思い出しながらギグリはクロッカスから去っていくのだった。
再び燃える闘志を胸に、男は更なる先を求めて旅をする。
かつてのライバルと、未来のライバルを超えるためならば、
苦手な魔法であろうとも、極めて見せると。


★☆★☆★☆★


「とりあえず実家に行ってからでもいいか?」

「あん?実家ァ??」

「姉に報告と一緒にもう一度修行したくてさ」

「なんじゃと?姉が居るのか?」

クロッカス武道会から出ようとするラクサスとマカロフ―――ラクサスの父であるイワンは急用の用事により先に発った―――と共にネロは二人に実家にも帰ろうとした。
理由は上記の通り、魔導士ギルドである妖精の尻尾(フェアリーテイル)に就職するのと一緒に修行を見てもらいたいという理由である。
流石に姉に報告なしに就職するのはいけないと考えるネロ。
なら手紙でいいのでは?となるのだが、ネロ自身、今自分の実力がどこまで姉に通じるか知りたいのだ
旅に出てから半年過ぎ、時折ホームシックになりながらも旅をして今回の大会で強くなったのだ。
ギルドに入るのならちょうどいい機会として実家に帰ろうと考えたネロなのだが…。

「待つんじゃネロ。お前さん、姉に修行を付けてもらっておったのか」

「まあ、な。うちの姉さんに大分扱かれたおかげで実力がついたんだ」

「ふんむ…」

ネロの話を聞いてマカロフは手を顎に持っていき、顎から生える髭を触りながら思考する。
その間にラクサスはネロに近づく。顔からは興味津々と書いてると想像できるほど笑みを浮かべて。


「なんだ、お前の姉チャン…お前よりつえーのか」

「強えよ。姉さんが本気になるとこ見たことないから実力も未知数さ」

「へえ…!!面白ェ…!!!」

ネロがラクサスに姉の話で盛り上がっている中、マカロフは考え終わったのか、二人の少年を優しい目つきをしてある‘’提案‘’をする。

「ふむ…じゃあラクサスも着いて行ってもらっていいかのぅ」

「「えっ」」

その提案に茜色の少年は困惑気味に、片方の金髪の少年は嬉しそうに。
マカロフの思考していたことは、ネロ少年がマグノリアまでの道を教えてもらえる者がいるのなら、友達になり、これから仲間になるであろうラクサスが適材適所だと考えたのである。
ついでにラクサスが友達の姉にも興味持っているようだし、それにいつまでも自分で束縛するよりも自分の足で冒険させた方がいいと思ったのだ。
本当ならば自分も着いて行きたかったが…流石にギルドの総長(マスター)である自分が私用で抜けているわけにはいかない。

自分が留守にしていても、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の看板を背負っているあの者らでも大丈夫だろう。特にマカロフ自身が次の総長(マスター)と考える魔導士もまた居ることだし。
ただ…書類の仕事が面倒になりそうである。未だに書類整理してくれる者も多くない中、数日抜けているわけにはいけない。

「いいのか!じぃじ!!」


「"え"っ…じ、じぃじ…?」

「"ああ"??オレの呼び方の何かが悪いか???」

「そ、そんなことはねえよ…うん」

ラクサスの祖父に対する三人称につい疑問を声にした最初のダチ公に雷を無意識に奔らせながら「何か文句あンのかコラ」と問いかけるラクサスにネロは目を逸らしながらなんとか誤魔化す。
そんな茜色の少年をジト目で見る孫にマカロフは先ほど思考していた提案の理由を述二人に説明する。

「…それもそっか。じゃあラクサス、一緒に行こうぜ!」

「へっ…!望むところだ。おめえの姉貴がどこまでの実力が確かめてやる…!!」

「いいけど、ラクサスじゃぜってーに勝てねえぞー」

楽しそうに雑談する少年たちに今回の大会に孫を参加させた転機は正解だった、とマカロフは何度かの達成感を感じながら今までのラクサスとの生活を懐う。

友人を作ることができず、作れなかった原因を治したというのに今度はソレが原因で関わりが難しくなり、自然とラクサスから離れていく子供たち。
ラクサスは天才だ。
魔力も魔法も並の魔導士とは比べるまでもなく極上級ともいえる才能。
なによりも自身やもう一人の男で強さに惹かれ、益々友を持つことが困難になりかけた。

そんなラクサスと、肩を並べるに足りえる少年が現れた。
孫と同じ、強さに惹かれ、努力を惜しまないであろうサイヤ人が。
天才と秀才、しかし相成れる二人の少年。

「一足にワシァギルドに戻るぞィ。二人とも、遅くなっても良いがなるべく早くマグノリアに来るように」

「わーってるよ!っと…じぃじ!!!!」

「?」

二人と別れ、機関車の駅へと向かおうとする祖父に孫は呼び止める。
それはどこまでもありふれた光景だ。

「ネロの姉貴をギルドに連れてきてもいーか!!」

まるで友人をうちの中に入れたいとでもいうような言葉。
マカロフは口角を上げて答えるのだった。

「好きにせぇい…妖精の尻尾(フェアリーテイル)は…来る者を拒まん!!」

祖父と孫のやり取りを傍で見ていた少年は目を見開き、好敵手(ライバル)になった少年はしてやったような、晴れた年相応な少年の笑顔を浮かべた。

「家族、一緒に居た方がいいだろ!!」




★★★★★★★


「あら、潮時ですか」

水晶に映る映像を眺めていた女はぼんやりと呟いた。
場所はクロッカスの借宿。
ベットに腰を掛けながら見つめていた光景に女は見つめていた手程の大きさの水晶を東洋の服で花のように少し開けた着物の袖の中に仕舞い込み、宿から出ていく。

「まさかこの時期であのギルドに行きますか…もう少しだけ、家族で居たかったのですが」

物思いで耐えきれなかった感情からこぼれる一言。
目的地に足を運ぶ女は唯々、暗くなりそうな空を眺める。
周りの明かりでまだ見えない星を想いに為せるように、女は呟いた。

「明日の、いえ…未来のあの日までに、月は綺麗でしょうか…ネロさま」

額にある紋様が現れ、そっと闇を宿した目で空の下で女は憂鬱そうに歩く。
彼女の中にある感情は愛か哀か―――


悪魔は、少年たちと同じ目的地へと旅立つ。
本来の役目に、やってくる終わりに向けて。
これより始まるは、少年の第一の最悪へと。
全ては――創造主のために。




 
 

 
後書き
 ※ギクリの友人はハゲ?
 オリキャラとFTのあるキャラを幼いころの友人に設定しました。
 のでギクリは’’あの男’’と友人関係にありますが、再会する時はありませんね(今作ネタバレ)
 あとギクリの宿敵はFTキャラじゃないです。その辺は追々に。

 ※イワンはどこに?
 見るものは見たといって先帰りました。本当ならネロに接触しようとしましたがマカロフが必ず止めに来るだろうし説明を施してもしてくれそうにないんで、サイヤ人の情報を調べに先に帰りました。

 ※【悲報】ラクサスを幼年期からボッチ化【批判待ったなし】
 なんか子供の頃から環境的にそうなりそうな感じがあったし…丁度いいかな、って。
 ☆幼年期:病弱
 ☆イワンに魔水晶を埋め込まれて強くなった
 ☆番外編に青い天馬で馴染み方がわからない
 ☆その時に「妖精の尻尾は拳があれば分かり合える」という脳筋な思考
 ☆プロフィールは強者が好きとかあった(戦闘狂にいける?)

 的なことで今作はこんな感じになりました。

 ※最後の女は
 ただのブラコン拗らせ曇らせ役。原作キャラであり本来より強化されています。


 次に重要な設定
 戦闘力について

 戦闘力「いやぁ…オレってば人気ものだしぃ?18万とか??53万とか??最終的に1億突破するしぃ?具体的な考察に便利だよなぁ??」
 キリ「でもおめえ、複雑すぎて運営から放置されたろ」
 戦闘力「そういうお前も目安にならねえってファンたちの間から噂囁かれてんだろが」
 キリ&戦闘力「’’ああ’’ん??」

 ???「しょうがねえなあ」
 キリ&戦闘力「お、おまえは!!」


 ゼノバーススカウター「ここは私の出番のようですね」★数字基準Level設定★

ファイターズストーリーのレベル数値「|д゚)チラッ」


 キリ&戦闘力「ふざけんな!!!」



 ※ゼノバース2ストーリーを基準。

 詳しい設定についてはまた投稿できたらいいなと思います…はい。


 ★☆次回予告☆★


 ハバネロ「投稿遅くない…?なにピッコロとか人造人間との闘いに備えてたの??」

 ???「まあこうなることも予想してましたが…やはり虫けらですわね人間」
 ハバネロ「貝殻だけどな…。じゃあ久々に行くか!」
 ???「そうですわね。――クロッカスから旅立つ二人の少年たち」
 ハバネロ「時々バルカンとか回想に出たりしたけど無事に故郷へと辿り着き、我が家に着いたオレとラクサス。そこで出迎えたのは――」

 ???「おかえりなさい、待ってましたわ…約数年間くらい」
 ネロ「オレは悪くねえ!!」
  
 「「次回!!妖精のサイヤ人!!」

 「第九話:ついにネロ姉の登場!その正体とは…」
 
 ???「……嗚呼、もう少しだけ、御傍に」

 ネロ「…?ではまた次回で!!…え?次が近いの?マジで?」
  
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