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おぢばにおかえり

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第六十六話 好き嫌いその七

「それでよ」
「僕講習受けていいんですね」
「是非受けてね、そのつもりなら」 
 私は阿波野君に笑顔で言いました。
「応援するから」
「応援してくれますか」
「当たり前よ、頑張ってね」
 こうも言いました。
「背中押させてもらうわ」
「有り難うございます、大学卒業したらいえ夏休みにでもですね」
「受けられるわよ、ようぼくなら」
 本当にそれならです。
「だから高校卒業したらね」
「受けられるんですね」
「ええ、だから」
 阿波野君にさらに言いました。
「受けてみてね、そのつもりがあるなら」
「そうですね、お金も必要ですよね」
「受講料はね、合わせて全部の課程で十万と少しよ」
「それ位ならアルバイトしていけますね」
「そうね、って自分でお金払うのね」 
 家に出してもらってではなかったです。
「そうするのね」
「はい、行かせてもらうならです」
「自分で、なのね」
「お金出したいですから」
 だからだというのです。
「それで、です」
「またそれは真剣に考えているわね」 
 阿波野君のこれまで見たことのない一面を見たと思いました、これまでそんなことを言ったところを見ていなかったので。
「自分でなの」
「はい、そうしますよ」
「そこまで考えているなんて」
 ついつい驚きの目で見てしまいました。
「いいようぼくになれるわね、それで会長さんにも」
「なれますか?いい会長さんに」
「そう思うわ、おみちにそこまで熱いと」 
 心から思ったことです。 
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