八条学園騒動記
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第六百二十六話 皇室と茶道その十二
「実際に」
「そうだね、言われてみると」
「いつも飲んでるわ」
二人もそうだと頷いた。
「言われてみれば」
「そうしているわ」
「モンゴル人にとっては味だけでなくて」
「栄養補給として重要」
「そういうことね」
「だからいつも飲んでいるんだ」
この時代もというのだ。
「あの人達も」
「というかお茶がない頃は」
七海はその頃のモンゴルのことを思って言った。
「血とか内臓でなのね」
「ビタミンを摂っていたよ」
「そうよね」
「イヌイットの人達と同じで」
「昔のね」
「今のイヌイットの人達はね」
「ああした生活してる人は僅かね」
このことは七海も知っている。
「そうよね」
「うん、本当にね」
「僅かよね」
「だってね」
菅は七海に話した。
「あの人達もその方が暮らしやすいから」
「現代文明にいる方が」
「モンゴルでもそうした人いるし」
今話している彼等もというのだ。
「遊牧民が多いというだけで」
「本当にそれだけで」
「それでイヌイットの人達も」
彼等もというのだ。
「今じゃね」
「そうした生活の人は僅かで」
「また違うよ」
そうだというのだ。
「これがね」
「そういうことね」
「それと」
菅はさらに話した。
「モンゴル人もそうだけれど混血もね」
「イヌイットの人達もよね」
「それが進んでいて」
イヌイットは元々はアジア系である。
「尚更ね」
「そうした昔ながらの生活をしている人達は」
「減って」
「それで」
「今のお家は」
アメリカの諸星の寒帯に居住しているがというのだ、特にアラスカ星系ではその文化の中心地があるとされている。
「観光用で」
「その実は」
「普通のお家で暮らしているよ」
「そうなのね」
「それで食べものも」
こちらもというのだ。
「今じゃね」
「普通のものを食べていて」
「毛皮パーカーは着ていても」
イヌイットのその服はというのだ。
「けれどお家の中に入ったら」
「それを脱いで」
「普通の服だよ」
それを着ているというのだ。
「そうだよ」
「氷のお家でもなくて」
「若しそうであっても」
イヌイット伝統のその家でもというのだ。
「それはあくまで外観で」
「中身は現代ね」
「そうなっているよ」
「そこは違うのね」
「モンゴルの人達とはね」
こう言うのだった、そしてだった。
五人はお茶を楽しむとそこからクラスに戻った。そうしてまた仕事に励んだ。
皇室と茶道 完
2021・7・2
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