八条学園騒動記
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第六百二十五話 信長とお茶その十二
「普通に謁見しているよ」
「歴史感じるね」
「その古さをね」
「茶道より古くて」
「連合のどの国よりも歴史あるから」
「アメリカもそこはどうしようもないから」
「中国も。歴史は六千年あっても」
二人で茶を飲みながら敵わないという顔で語った。
「皇室みたいな家はないから」
「どうしても負けるね」
「ローマ教会より古いし」
「同じ血筋でね」
「それは日本にとって有り難いことだけれど」
七海が言ってきた。
「流石のエウロパも何も言えない位にね」
「そうそう、あのエウロパも言わないよね」
「連合にはあれこれ言うのに」
「それこそ何に対しても言うのに」
「日本の皇室にはね」
「けれど言う国あるでしょ」
その国の名前もだ、七海は言った。
「韓国ね」
「本当に洪童は言わないけれど」
「かえってリスペクトしているけれどね」
「それでもね」
「韓国という国は言うわね」
「王とか言うから」
天皇即ち皇帝陛下であられるのにだ。
「日王ね」
「日王なんていないよ」
菅は一言で言い切った。
「どの国にもね」
「日本にもね」
「日本が皇室を戴いているのが凄く嫌で」
「格下の国なのにね」
「国力も上で」
日本の方がだ。
「それで挙句にね」
「皇室まで戴いていて」
「しかも四千年の歴史があるから」
「余計にね」
「腹立たしくて」
「何かと言ってるのよね」
「どう見たってね」
そうだというのだ。
「あの国は」
「そうよね」
「というか」
ここでこう言った菅だった。
「エウロパ総統に言うよりもね」
「悪の権化にね」
連合ではエウロパ総統はまさにそうなっている、敵であるエウロパの頂点に立つ邪悪な独裁者と思われているのだ。
「言うよりも」
「まず陛下に言うのよね」
「何かとね」
「韓国だけでしょ」
七海はむっとした目で言った。
「皇室に文句言うのは」
「そして陛下にね」
「連合の他の国言わないし」
「誰もね」
そしてどの国もだ。
「言わないよ」
「そうよね」
「さっきもお話に出たけれどエウロパも」
この国でもというのだ。
「というかエウロパすらね」
「日本の皇室には言わないのに」
「中央政府大統領には言っても」
「皇室はスルーするのに」
「韓国については」
この国はというと。
「言うのよね」
「何かと」
「はい、そのことですが」
茶道部の部員も言ってきた、彼女はさらに茶を淹れながら話した。
信長とお茶 完
2021・6・24
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