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レーヴァティン

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第二百十五話 渡河その十三

「誰かの彼女さんや奥さんや愛人さんにはな」
「手を出されないですか」
「あくまでな」
 それはというのだ。
「しないんだよ」
「道を弁えて遊ぶ」
「そうしてるんだよ」
「女の人も」
「そこがな」
 何といってもというのだ。
「あいつなんだよ」
「無表情で、ですね」
「そうなんだよ」
 それがというのだ。
「それが凄いんだよ」
「全くですね、遊ぶにしても」
 女好きでもというのだ。
「それが無表情であっても」
「弁えてるとな」
「いいですね」
「ああ、よく遊郭にも行ってるみたいだし」
 東の浮島でもというのだ。
「仏頂面でな」
「それでも遊ばれることは」
「凄いな、それで俺達もな」
「はい、性欲はですね」
「解消していこうな、ただ俺達は移動の術が使える」
 久志は自分達のことも話した。
「だから進軍中でも」
「休暇制度もありますし」
「それか時々でもな」
「戻っていますし」
 自分達の家にとだ、夕子も応えた。
「そして旦那様と」
「俺もだしな」
 妻のところに戻っているというのだ。
「それでな」
「そうしたこともしていますね」
「ああ、だからな」 
 それでというのだ。
「俺達もな」
「性欲を解消しながらですね」
「やっていこうな、結婚して娼館には行けないしな」
 この辺りの考えもある、実は久志も仲間達もそうしたことについては真面目な考えで今はそうした場所には行かないのだ。
「だからな」
「時々ですね」
「ああ、戻っているしな」
「これからもですね」
「そうしていくか、今夜でもな」
 こう言ってだった、久志達もまたそうしていった。そのうえで戦いにも赴いていくのであった。


第二百十五話   完


                   2021・6・23 
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