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ヘタリア大帝国

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TURN48 騎士提督参入その九

「そうして頂けるでしょうか」
「日本の帝に」
「そして帝のお話を聞いて頂ければ」
 日本は彼独自の会話の間でネルソンに話していく。
「そうして頂けますか」
「そうですね」
 ネルソンは日本の言葉に考える顔になった。それからだった。
 その考える顔でだ。こう答えた。
「それでは」
「来て頂けますか」
「お話は聞かせて頂きます」
 ネルソンは心の盾を構えた上で日本に答えた。
「そうさせて頂きます」
「はい、それでは」
 こうして話は整った。東郷達はネルソンを帝がいる日本の皇居に案内することにした。そしてその頃だった。
 アイスランドが戦艦の艦橋でこうアルビルダに言った。
「今から」
「うむ、太平洋に入るぞ」
 アルビルダは不敵な笑みでアイスランドに答える。
「そうするとしよう。アイスランド船長」
「僕が船長だったの」
「そうだ。今気付いたのか?」
「初耳だけれど」
 アイスランドはぽつりとした口調でアルビルダに答える。
「本当に」
「そうだったのだ。ところでだ」
「ところで。何かな」
「私の祖国は正式には何処になるのだ?」
 仁王立ちをしながらの言葉だった。
「北欧連合の中のどの国なのだ?」
「多分兄さん」
 アイスランドはこうアルビルダに答えた。
「そうなる」
「ノルウェー氏か」
「そうなる。多分だけれど」
「デンマーク氏かと思ったが」
「多分違うから」
 アイスランドはぽつぽつとした口調でアルビルダに答え続ける。
「その辺りは」
「そうだったのか」
「王女さんの服装は兄さんのところのだから」
「そういえばそうだったな」
「そう。多分王女さんの祖国は兄さん」 
 そうなるというのだ。
「そうなる」
「ううむ。はじめて知ったぞ」
「僕も確信はないから」
「スウェーデン氏ではないか」
「服装が少し違うから」
 だからそれもないというのだ。
「とはいっても同じだけれど」
「そうだ。北欧は連合王国なのだ」
「だから祖国というと」
「北欧の五国なのだな」
「うん、そうなると思う」
 アイスランドはこうアルビルダに話す。
「僕達五人。あと若しかしたら」
「若しかしたら?」
「シーランド」
 この国の名前が出て来た。
「あの子も」
「シーランド?それは誰なのだ」
「エイリスから何時の間にか独立していた国」
 それがシーランドだというのだ。
「僕とエイリスの間に適当にある人工惑星の国」
「そんな国があったのか」
「気付いたらあった」
 本当に気付いたらだったというのだ。
「とりあえず元気がいい」
「ううむ、一度会ってみたいのだ」
「イギリスは手を焼いている」
 勝手に独立されてしかも言うことを聞かないからだ。イギリスにとっては彼のことも頭の痛い問題なのだ。
「戦争中なので手を回せないけれど」
「そういう奴もいるのか」
「そう。それで」
「うむ、太平洋だな」
「何処を攻める」
「アラビアだ」
 そこを攻めるというのだ。
「アラビアの財宝を狙う!いいな!」
「了解」
 アイスランドはアルビルダの命令に淡々と応えた。
「じゃあ今から」
「行くのだ祖国の一人!」
 アイスランドもその中に入った。
「宇宙海賊、バイキングとして活躍するのだ!」
「戦争じゃなくても戦うのがバイキング」
「その通りなのだ!」
 こう言ってそのバイキング活動に入るのだった。そしてこのアラビアでのことが彼女の運命を大きく変えることになる。そのことはまだ誰も気付いてはいないが。


TURN48   完


                              2012・8・18
 
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