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レーヴァティン

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第二百十四話 殲滅をしてその七

「ならね」
「相当辛いな」
「連合王国も長弓隊の六割を失ったわ」 
 彼等もというのだ。
「だから両方ね」
「辛いな」
「敵はね」
「そして俺達はな」
「楽になったわ」
「敵が辛いってことはな」
「逆にこちらはね」
 双葉は笑って話した。
「楽になったわ」
「そうだな、じゃあな」
「ええ、準備が出来たらね」
「川を渡ってな」
「パリに向かって進軍しましょう」
「そうだな」
「それも大々的にね」
 双葉はこのことは笑って言った。
「姿を見せてよ」
「大軍でか」
「装備がいいこともね」
「敵に見せるんだな」
「自分達の主力を殲滅した軍がどういったものか」 
 このことをというのだ。
「敵にね」
「思う存分見せてか」
「戦っても勝てない」
「そう思わせるんだな」
「戦わずして勝つ」
 こう言ったのは剛だった。
「そういうことだね」
「そうだな、戦の最善はな」
「それだよね」
「百戦百勝じゃなくてな」
「むしろそれは駄目でね」
「戦って勝ってもな」
「損害が出るから」
 戦をすればというのだ。
「どうしてもね」
「それだけでだよな」
「こちらも傷付くよ」
「損害が出るな」
「だから百戦百勝よりも」
「その百戦をしなくてな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「不戦勝だよ」
「それが最善だな」
「だからその最善の道を辿る為にも」
「ここはあえてか」
「大軍で堂々とね」
 その姿を見せ付けてというのだ。
「装備や物資の充実もね」
「これでもかとか」
「見せてそうして」
「パリに向かうか」
「これで王国の諸侯のかなりが降る筈だよ」
 その彼等がというのだ。
「こちらも使者を送って降る様に言うけれど」
「それはいつも通りだな」
「そうだけれどね」
「それと一緒にだよな」
「その進軍を見せることによって」
「降していくな」
「そうしていこう」
「そうだな。じゃあな」
 久志も頷いて答えた。
「ワイン川を渡ったらな」
「堂々と進軍するね」
「俺達の姿を見せてやるな、そしてな」
 久志はさらに言った。
「フォガーノ侯、モンフェラート将軍、トスカーナ将軍にな」
「半島からだね」
「軍を攻めさせてトトメス将軍とオドアバル将軍はな」 
 彼等の名前も出した。 
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