レーヴァティン
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第二百十三話 包囲してその九
「いいな」
「それではですね」
「砲撃と銃撃等を行い」
「爆撃も行って」
「そのうえで」
「連中に止めを刺す、そして騎士団軍を倒せば」
久志はそこから先のことも話した。
「地の利に詳しい敵がごそっと減る」
「王国軍や連合王国軍にいても」
「それでもですね」
「数は少ない」
「そうだ、自分達の国じゃないからな」
生まれ育った国でない、だからだ。
「それでだよ」
「左様ですね」
「まさにそこが狙い目で」
「そして事実そこを衝き」
「彼等も倒しますね」
「だからな」
それでというのだ。
「まずは騎士団を倒すな」
「これまで長い戦でしたが」
「騎士団との戦も」
「ですがそれもですね」
「終わりますね」
「これでな、終わらせるな」
強い声で言ってだった。
久志は帝国軍に円陣を組んでいる騎士団軍に対して総攻撃を命じた、そうして空と水路そして陸からだった。
総攻撃を命じた、騎士団軍は騎兵が多く防戦には不向きだったが。
下馬し誰もが銃や弓矢を使い反撃を行った、そうして果敢に戦うが。
囲まれかつ何倍もの数それも装備が上の帝国軍には敵わず。
朝からはじまった戦闘は夕方には終わった、久志は倒れた騎士団軍の旗本陣の中央にあったそれを見て言った。
「これでな」
「終わったわね」
留奈はその倒れた旗、戦場の泥に汚れたそれを見下ろしつつ応えた。
「騎士団との戦は」
「騎士団長は戦死したな」
「ええ、ただ寿命でないから」
「生き返るか」
「それが出来るわ」
こう久志に答えた。
「そして殆どの敵の将兵もね」
「だったらな」
久志は即断して答えた。
「生き返らせるな」
「そうするわね」
「そしてそのうえでな、残った戦力でな」
「今度は王国軍と連合王国軍ね」
「連合王国軍がここで動いたみたいだな」
「動こうとしているわ」
まだ動いてはいないがとだ、留奈は答えた。
「大軍が渡れる場所を見付けたから」
「それでか」
「この戦場から脱出して」
そしてというのだ。
「本国に戻るつもりらしいわ」
「連中はまだ知らないか」
久志はその話を聞いて言った。
「まだ」
「ええ、湖での戦もね」
「帝国軍が勝ってな」
「ドーバー湖峡は私達が掌握したわ」
そこはというのだ。
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