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淫夢

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第二章

「うちの人と一緒にね」
「ああ、しちゃう夢なの」
「それ言ったら」
「いいじゃない、女同士だし」
 笑ってだ、ひろみは愛衣に返した。
「だからね」
「それでなの」
「そう、愛衣さんとは長い付き合いだし」
「ひろみちゃんがこのお店に来てからだしね」
「あたしが高校の時からだからね」
「もう四年ね」
「高一から大学一回の今だからね」
「長いわね」
「それだけの付き合いだし」
 それでというのだ。
「あたしの困ったこと何でも聞いてくれてアドバイスしてくれたし」
「今度はなのね」
「あたしの番だしね」 
 だからだというのだ。
「あたしでよかったらね」
「女同士だし」
「行ってみて。今お店にいるのあたし達だけだし」
「それじゃあね、それがもうかなりね」 
 愛衣はひろみのその言葉に頷いて言った。
「いやらしい内容だったの」
「旦那さんとなの」
「凄くね、けれどうちの人って」
「することはするわよね」
「そうだけれど」
 そのことは事実だが、というのだ。
「けれど夢で見たいなことはね」
「ないの」
「全然ね」
「そうなのね」
「そう、だからね」
「戸惑ってるのね」
「どうしてあんな夢見たのかって」
 ひろみにコンビニのカウンターの中で話した。
「本当にね」
「そうなのね、まあそんな夢も見るでしょ」
 これがひろみの返事だった。
「時にはね」
「見るものなの」
「だって人間誰だってそうしたものあるでしょ」
「あるの」
「性欲ね、これがないとね」
 ひろみはあっけらかんとした表情で愛衣に答えた。
「人類残らないし」
「そうしたことをしたいから」
「そう、あたしだってあるし」
「ひろみちゃんもなの」
「したいって思う時あって彼氏にもねだるわよ」
「そうなの」
「それも結構な数ね」
 こう言うのだった。
「それで愛衣さんも人間だから」
「そうした感情があって」
「そうした夢を見ることもよ」
「あってなの」
「別におかしなことでもないし不思議に思うこともね」
「ないのね」
「というか浮気しなかったら」
 それならというのだ。
「いいでしょ」
「それをしなかったら」
「それでね」 
 やはりあっけらかんとした口調で言う。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、それでね」 
 さらに言うのだった。 
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