飛び込んで来た鷹
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第二章
自然動物保護センターに連絡をすると。
すぐに停留所にセンターのスタッフが来てそうしてだった。
「では今から」
「鷹をですね」
「引き取らせて下さい」
こうブルーソに言った。
「今から」
「わかりました、じゃあハーピーいいな」
事務所のソファーの上に停まっている鷹に声をかけた。
「これで帰ろうな」
「クァッ」
「名付けられたんですか」
「いや、昨日いるうちに。どうも雄みたいですが」
ブルーソはスタッフに話した。
「鷹って呼ぶのも何ですし」
「それで、ですか」
「ハーピーとです」
その様にというのだ。
「名付けました」
「そうですか」
「それじゃあハーピーを」
「はい、こちらで引き取って」
そしてというのだ。
「野生にです」
「戻してくれますか」
「そうさせてもらいます」
「それじゃあ」
こうしてだった。
ハーピーはセンターに預けられ野生に戻った、そして。
ブルーソは後日センターのスタッフがそのことを報告した時に言われた。
「あの台風では大変で」
「だからですか」
「ええ、生きものの保護も」
これもというのだ。
「かなりです」
「大変ですか」
「ペットだけでなく」
「野生動物の保護もですか」
「鹿を保護したり」
スタッフは具体的な例を話した。
「リクガメ、溺れていたので」
「ああ、リクガメは」
「はい、亀ですが」
泳ぎが得意な生きものだがというのだ。
「陸地に住んでいるので」
「だから泳げないですね」
「そのリクガメも保護しました、そしてペットですと」
彼等の場合はというと。
「家の中に取り残された彼等を」
「助け出したんですね」
「そうしました」
「本当に大変だったんですね」
「はい、前に大きな台風が来た時に」
スタッフは残念そうに話した。
「活動に問題を感じたので」
「だからですか」
「反省して改善していったので」
だからだというのだ。
「今回はよりよく働けていると思っています」
「それは何よりですね」
「ですからこれからも」
「こうした時が来れば」
「多くの生きものを助けていきます」
「応援させてもらいます」
ブルーソはスタッフに確かな声で応えた、そうして彼もその活動に参加する様になった。
もうあの鷹に会うことはなかった、だが彼の心の中にはあの鷹がいつもいた。命を助けることがどういったものかを教えてくれたその鷹が。
飛び込んで来た鷹 完
2021・7・24
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