レーヴァティン
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第二百十二話 急襲その八
「いいな」
「わかりました」
「それではです」
「暗闇の中を進む」
「そうしますね」
「頼りは二つだ」
灯りの代わりはというのだ。
「星とな」
「方位磁石ですね」
「羅針盤になっています」
「それを使いますね」
「湖の上と同じだ」
そこを進む場合と、というのだ。
「やっぱりな」
「そうですね」
「空を進む時も同じですね」
「夜を進む時は」
「船でそうする時は」
「その二つを頼りにしてな」
星と羅針盤をというのだ。
「進むからな」
「わかりました」
「ではその様にしていきましょう」
「そして敵の本陣の空船を叩く」
「そうしますね」
「ああ、そうするからな」
こう言ってだった。
久志は実際に星と羅針盤を見てそのうえでだった。
空船達を進ませた、船員達の腕も確かなもので夜空をどんどん進んでいった。そうして敵の本陣まで至ると。
敵は寝静まっていた、久志は静かな敵陣を見て言った。
「よし、いい具合だ」
「ですね」
「では今よりですね」
「降下していき」
「そしてですね」
「敵の空船達を叩くな」
まさにというのだ。
「そうしような」
「はい、それでは」
「これよりそうしましょう」
「敵の空船達の場所はわかっていますし」
「それでは」
「そこに入るな」
こう言ってだった。
久志は空船の艦隊を敵陣の空船達が集結して地上にあるそこまで向かわせた、そこに入ると全軍に命じた。
「よし、じゃあな」
「これからですね」
「降下してですね」
「爆撃を加えますね」
「油を撒いてな」
よく燃えるそれをというのだ。
「そしてだよ」
「はい、爆撃ですね」
「炸裂弾を中心に落としますね」
「そうしますね」
「ああ、燃やす」
まさにそうするというのだ。
「空船達にな」
「さらにですね」
「敵陣もですね」
「そうしますね」
「そうするな、しかし空船を置ける場所がこの陣では一つしかなくてな」
その為にとだ、久志は夜の敵陣を見下ろしつつ言った。
「連合軍でも空船は一つに集まってるな」
「それぞれの軍で分けず」
「集結させていますね」
「そうさせていますね」
「戦力の集結は当然でもな」
それでもというのだ。
「こうした時はな」
「こちらにとっても好都合ですね」
「攻撃対象が集結しているなら」
「それなら」
「こんないいことはないさ」
まさにというのだった。
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