ハンデなんてものとしない
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第一章
ハンデなんてものとしない
アンナ=トルーニアは黒髪で緑の目を持つ豊満な中年女性である。アメリカミシガン州ヒギンス湖近辺で動物のレスキュー活動を行っている。その彼女が二匹の猫達を保護して家族に迎え入れた。
子猫達は生後三週間から五週間で兄妹だった、一匹は雄の黒猫でもう一匹は雌のトラ猫だった。その彼等が家に来て夫のアレクサンドルも子供達も言った、
「尻尾がないんだな」
「そんな猫もいるんだ」
「あとトラ猫前足悪いね」
「大丈夫かな」
「尻尾がない猫もいるわよ」
アンナはまずこのことから話した。
「実はね」
「ああ、そうだったな」
夫、髪の毛はすっかり剥げてグレーの目で口髭を生やしてでっぷりと太った彼は妻の言葉に応えて言った。
「マンクス猫な」
「あの猫は尻尾がないでしょ」
「そうだったな」
「それでマンクス症候群ってあって」
それでというのだ。
「この子達もね」
「尻尾がないんだな」
「そうなの」
「そうした子達なんだな」
「前足も治療するし」
だからだというのだ。
「大丈夫よ」
「そうなんだな」
「尻尾がなくても」
それでもというのだ。
「安心していいわ」
「無事に育つんだな」
「それでね」
夫にさらに話した。
「名前も付けてあげましょう」
「家族になるんだからな」
「そうしましょう」
「うん、それじゃあ」
夫も頷いた、そしてだった。
黒猫はバート、トラ猫はリサと名付けられた、すぐにリサの前足の治療が行われたが前足はすぐに治った。
それからは二匹はとても元気な猫になり兄妹でいつも仲良く一緒にいて。
「ニャ~~~」
「ナァ~~~」
健康で好奇心旺盛でいつも活発に遊んでいて。
悪戯もよくした、それで子供達が言った。
「また二匹で悪戯してるよ」
「お部屋の中滅茶苦茶よ」
「本当に悪いことばかりするね」
「叱っておいたからね」
アンナはぼやく子供達にこう返した。
「それでいいでしょ」
「怒ってもすぐにまたやるけれどね」
「猫って反省しないっていうけれど」
「バートもリサもだね」
「ええ、けれど元気で何よりでしょ」
見れば怒られたばかりなのに平気な顔でソファーの上で二匹一緒にいて欠伸をしている彼等を見つつ話した。
「尻尾がなくてもね」
「元気なんだね」
「それでも」
「そうなのね」
「そうよ、尻尾がなくても猫は猫なのよ」
こう子供達に言うのだった、実際にだった。
バートとリサにとって尻尾はどうでもいいものだった、それがなくても彼等は元気で毎日楽しく暮らしていた。
そしてアンナが仕事でロサンゼルスの動物保護団体に行くとだった。
そこに九匹の子猫とトラ柄の母猫がいた、子猫はグレーが四匹で薄茶色が一匹そして黒とダークブラウンの猫が四匹いた、その中で。
グレーのうちの一匹が小さな買った、それでアンナは団体のスタッフに問うた。
「小さな子ですね」
「雄でバブルガムっていいまして」
スタッフはすぐに答えた。
「雄です、母親はロールといいまして」
「ニャ~~~」
見れば子猫達をあやしている、どの子猫達ももう歯が生え揃っている。
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