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犬に護られる猫

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第二章

「ワンワン」
「ニャオン」
「ニャウン」
「ミャウン」
 三匹の猫達は犬に寄り添っている、赤毛で黒い目で丸い顔のマチアはライザに話した。
「犬はハデスっていってね」
「ギリシア神話からね」
「そう、それでお母さん猫はニコールっていって」
 猫の名前も話した。
「銀と黒の子はサーシャ、茶色と白の子はマリーっていうの。三匹共雌よ」
「そうなのね」
「実はニコールはずっと野良猫だったの」
 マチアはライザにこのことも話した。
「けれど前からハデスと仲良くてね」
「そうだったのね」
「それでニコールが妊娠した時に」 
 その時にというのだ。
「自分の犬小屋に入れてあげてね」
「出産してもらったの」
「それを見てね、家族会議をして」
 そしてというのだ。
「ニコールも子猫達もね」
「家族にしたのね」
「ハデスが子猫達を産む間ずっと一緒にいたから」
 それを見てというのだ。
「そうしたの」
「そうなのね」
「それでライザのお話を聞いたけれど」
「犬と猫でも」
「愛情が生まれるのね」
「そうね、人間と他の生きものとの間でもで」
 ライザもそれならと頷いた。
「そしてね」
「犬と猫の間でもね」
「愛情が生まれてね」
「仲良くなれるわね」
「ええ、だったら」 
 ライザはとても仲のいい四匹を見て話した。
「マチアもこれからも」
「この子達と家族でね」
「仲良くしていくわね」
「そうしていくわ」
「そうするわね」
「それが最高の生活だから」
「ええ、じゃあこれからも皆でね」
 仲良く話してそうしてだった、
 ライザはハデスと猫達に近寄り彼等の頭を撫でた、すると彼等は尻尾を振って喉を鳴らした。その間も彼等は寄り添い合っていた。


犬に護られる猫   完


                  2021・7・17 
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