| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百十一話 全軍集結その十三

「王国も連合王国も終わりよ」
「もう正面きって対抗出来る戦力はないからな」
「そうなるからね、陸はね」
「そっちはな」
「それで後はね」
「水軍も叩くとな」
「もう完璧よ」
 そこまで出来ればというのだ。
「絶対にその時も来るし」
「そうだよな」
「王国はもう南部の艦隊を北部に全部移動させてるで」
 美奈代がこのことを言ってきた。
「こっちが浮島の東部を制圧してな」
「戦が避けられないとみてだな」
「もう南部の湖や港の守りを捨てて」
 そこまでしてというのだ。
「帝国との戦にな」
「戦力を集結させてきたか」
「既にな」
「相手も馬鹿じゃないからな」
「そうしてきたで」
「そういうことだな」
「そやから水軍ともな」 
 王国のというのだ。
「戦うで、騎士団軍の水軍もおるし」
「連中ともな」
「あと連合王国の水軍もあるな」
「あそこの水軍が一番強いで」
「その連中ともだな」
「戦うで」
「そっちでも決戦だな」
 久志は美奈代と話してそのうえで述べた、語るその目には鋭い光が宿っていて声もそうしたものになっていた。
「そうなるな」
「そやな、陸と湖で敵を殲滅して」
「もうだな」
「敵の戦力を奪って」
「戦の趨勢を確実なものにしような」
「そういうことでな」
「わかったぜ、じゃあ全ての準備を整えて」 
 そしてとだ、久志はあらためて言った。
「西に進軍だ」
「そういうことでいこな」 
 美奈代は久志のその言葉に笑顔で応えた、こうしてだった。
 帝国軍は三ヶ国の連合軍との決戦の準備の最終段階に入った、それはまさにただ勝つだけではなく敵の戦力を殲滅し戦の趨勢を決する為のものであった。


第二百十一話   完


                 2021・5・23 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧